コンパクト食洗機は家事を時短してくれる一方、モーター音が気になるという悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。特に夜間の使用時や、家族がリビングでくつろいでいる時など、音が気になるシーンは多々あります。
本記事では、食洗機のモーター音に悩む方々のために、音の原因と今すぐできる対策から、手軽に導入できる防音アイテム、DIYで出来る防音BOXの作り方まで幅広くご紹介します。
食洗機の音が気になる理由とは?
モーター音の正体とは?
食洗機の主要パーツは「インバーターモーター」「排水ポンプ」「ファン」。これらが回転→振動→筐体共振という連鎖を起こし、結果として人の耳に届く騒音になります。
食洗機の周波数(250〜8000Hz)の中でも、「ブーン」というモーター音が耳障りな音になりやすいです。また、食器同士がぶつかる音や、スプレーアームが食器に当たる音も、騒音の一因となります。
食洗機の音は一般的に36〜60デシベル程度です。より静かな機種では40デシベル以下、比較的大きな音の機種では50〜60デシベル程度と、個々の機種によって差があります。
音が気になるシーンとその影響
住宅地の場合は、昼間は55dB以下、夜間は45dB以下が理想とされています。(※参照:環境省 騒音に係る環境基準)夜間は特に音が響きやすく、50〜60デシベル程の音が出る食洗機では家族や近隣との関係に影響を及ぼす可能性があります。
今すぐできる!食洗機の音を抑える対策
・食器の配置を見直す

食器同士が接触しないように「大皿→小皿→カトラリー」のサイズ順縦置きで配置することやガラスと陶器を隣接させないようにすることで、運転中の「ガチャガチャ」という音を軽減できます。また、スプレーアームの回転を妨げないように注意しましょう。
・フィルターの定期的な清掃
フィルターに食べかすや油汚れが詰まると、排水時に「ゴボゴボ」という異音が発生することがあります。定期的な清掃を心がけましょう。
・設置場所を工夫する
本体が斜めに設置されていると、内部パーツが正常に動かず、「ガタガタ」「カタカタ」といった異音の原因になります。安定されていない場所や滑りやすい場所を避けて設置するか、防振ゴムや滑り止めシートなどを活用することをおすすめします。
・静音設計の食洗機に買い替える
食洗機の音がどうしても改善できない場合は、静音設計タイプの食洗機に買い換えるのも、ひとつの方法です。静音設計タイプの食洗機は、通常の食洗機よりも静かに稼働します。就寝中や集合住宅での使用を想定するなら、運転音が40dB以下の静音タイプを目安に選ぶと安心です。
手軽に導入できる防音アイテム
防音マットの活用
食洗機の下にゴム性の防振マットを敷くことで、設置面が安定し、稼働によるズレを防止してくれます。

防振マット「P防振マット」
面密度4.8・9.7(kg/m2)/遮音×制振ゴムマット/高耐久性・耐水・カット可/910×450mm, 厚み5mm・10mm/2,860円(税込)~
防音ボックスをDIY
今回は、木製のフレームとプラスチックダンボールでそれぞれ食洗機を囲うカバーをDIYしてみました。

また、それぞれのカバーの内側にウレタン吸音材「カームフレックス」を貼り付けた防音ボックスでどのくらい音が軽減できるのか検証しました。



ウレタン系防音材 「カームフレックス」
密度:23(kg/m3)/0.1kg~0.2kg/中低音域の反響音対策/DIY・難焼・裏面粘着付/500×500mm,20mm・40mm厚/8枚13,200円(税込)~
防音ボックスで食洗機の音をどのくらい軽減できるか検証!実験結果はこちら
カバー構成 | 測定値 | 減衰量 | 体感的インパクト |
対策なし | 59.9 dB | ― | ― |
木製カバー | 54.2 dB | −5.7 dB | 耳に響く音が少し和らいだ感じ |
木製+吸音材 | 50.6 dB | −9.3 dB | 音が軽減したと感じるレベル |
プラスチックダンボールのみ | 58.9 dB | −1.0 dB | 効果を感じない |
プラダン+吸音材 | 55.7 dB | −4.2 dB | 木製単体より効果は弱いが多少音が和らいだ程度 |
やはり、木製カバーはプラスチックダンボールより板厚と質量があるため、“遮音”性能が高くなります。そのため、防音BOXをDIYする際は“重く・硬い素材”を選ぶことが重要です。
プラスで、木製カバーにウレタン吸音材を追加することで、対策なしより−9.3 dBの軽減と音が軽減したことを体感できるレベルの効果を得ることができます。全く音が聞こえなくなるわけではありませんが、約10dB軽減されることで、同じお部屋内でもテレビの音や音楽の音を邪魔しない程度になります。
詳しくはこちらの動画で製作方法や音の検証を行っているので、ぜひご覧ください。
さらに防音効果を上げたい場合は、吸音材の種類を高密度で厚みのあるポリエステル吸音材「ポリリーフ」やロックウール吸音材「ロックウールボード」を選んだり、音を跳ね返す効果のある遮音シート「ノイズストップ15」を組み合わせることをおすすめします。

ポリエステル吸音材 「ポリリーフ」
密度:70(kg/m3)/0.5kg/高音域の反響音対策/DIY・安心素材・防火・断熱・防カビ/500×500mm,30mm厚/2枚4,180円(税込)~

ロックウール吸音材 「ロックウールボード」
吸音率:〜0.9M/密度:80・150(kg/m3)/1.1~4.0㎏/遮音性の高い吸音材/DIY専用素材・低音域対応/605×910mm,25mm・50mm厚/6,600円(税込)~

遮音シート「Noisestop15」
面密度:3.8㎏/最も遮音性能が高い・DIY初心者でも○・カット可|幅470mm×長さ1m~10m、厚み1.5mm/1m1,980円(税込)〜
まとめ:快適な生活のために
食洗機の音でも寝ている子供が起きないか心配したり、テレビの音量をいつもより上げてしまったり…そんな音のストレスを少しでも解消できる解決策をご紹介しました。
「キーン」「ギーン」と続く高音や「ガタガタ」と断続的な揺れ音、「ブーン」と重低音が以前より大きくなったなどの症状がある場合、故障している可能性もあるため、その際は部品の交換や買い替えを検討されてみてもよろしいかと思います。
ちょっとした工夫で快適な生活を実現するために、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 食洗機のモーター音がうるさい原因は何ですか?
A. 主な原因は、インバーターモーターや排水ポンプ、ファンなどの回転部品が振動し、筐体が共振することで発生する「ブーン」という低周波の音です。また、食器同士の接触音やスプレーアームが食器に当たる音も騒音の要因になります。
Q2. 食洗機のモーター音を今すぐ抑える簡単な対策はありますか?
A. はい、以下のような対策があります。
・防振ゴムや滑り止めシートを活用する
・食器の配置を見直して接触を減らす
・フィルターの定期的な掃除
・設置場所を水平かつ安定した場所にする
これだけでも「ガチャガチャ」「ゴボゴボ」といった異音の軽減が期待できます。
Q3. 食洗機用のおすすめ防音アイテムは何がありますか?
A. 手軽に導入できる防音アイテムとしては、以下があります。
・防音ボックスのDIY:木製やプラダンで囲い、吸音材を内部に貼る
・防音・防振マット:食洗機の下に敷いて振動を吸収
特に木製+吸音材の組み合わせは、騒音を約9.3dB軽減する効果が実験で確認されています。
Q5. 食洗機の防音ボックスはDIYでも作れますか?
A. はい、木材やプラスチックダンボールと吸音材(例:カームフレックス)を組み合わせることで、家庭でも手作り可能です。素材の厚みと重さが遮音性に影響するため、「重く・硬い素材+吸音材」の組み合わせが効果的です。
Q4. 静音タイプの食洗機はどのくらい静かですか?
A. 一般的な食洗機の動作音は36〜60dBですが、静音設計のモデルでは40dB以下の運転音が実現されており、夜間や集合住宅でも使いやすい設計となっています。買い替えを検討する際はこの基準を目安にしましょう。
Q6. 防音効果をさらに高めたいときにおすすめの素材は?
A. 吸音材と遮音材を組み合わせることで防音効果は高まります。以下のような素材の商品があります。
- ポリエステル吸音材「ポリリーフ」
- ロックウール吸音材「ロックウールボード」
- 遮音シート「ノイズストップ15」
これらをボックスに追加することで、さらに効果を高めることができます。
Q7. 食洗機の音が以前より大きくなった気がします。故障の可能性はありますか?
A. 「キーン」「ガタガタ」「ブーン」などの異常音が以前より目立つ場合、部品の劣化や故障の可能性があります。音の変化が大きい場合は、メーカー点検や部品交換、買い替えを検討しましょう。