「マンションでカラオケをしたいけど、近所迷惑にならないか心配…」
「そもそもどのくらいの音が漏れてるの?」

「自宅で歌を歌って周りに音漏れしないためにはどんな対策があるの?」

そんな不安をお持ちの方に向けて、この記事では、マンションでカラオケを楽しむために必要な防音の考え方や音量の目安、防音グッズの選び方について詳しく解説します。

歌声は周波数も音量も様々

下記は、様々な種類の音の周波数と音の大きさをまとめた表になります。

音別の周波数と音量

図:複数文献を参考にピアリビングにて作成(主な出典:1〜16参照)

歌声の音の高さ(周波数)は100〜8kHz、音量については60〜100dBと、音域も音量も幅広いことが特徴です。そこでまずは、ご自身が歌う際の周波数と音量を把握することが大切になります。

室内の音は何dBまで抑えられるとベスト?

先程お伝えした通り、歌声の周波数は非常に幅広いです。そのため、中でも多いと考えられる中低音域(250〜800Hz)の場合で考えていきたいと思います。

お隣や上下階に歌声が漏れないようにするために、室内での音は

遮音性が低い木造→60dB

遮音性が高いRC造→80dB

になるように防音することを目安に考えると良いかと思います。

なお、屋外への音漏れは主に窓から発生することが多く、一般的なアルミサッシ(T-1等級)をご使用の場合は、室内の音を60dB程度に抑えるのが望ましいと考えられます。ただし、屋外の場合、建物同士の距離が離れているケースもあり、距離があるほど音は減衰します。そのため、屋外への音漏れよりも、隣接する住戸や上下階への音の対策の方が、優先順位としては高いかもしれません。

未然にトラブルを防ぐ方法

防音対策についてご紹介する前に、トラブルを未然に防ぐ方法についてご紹介します。

歌う時間を配慮する

深夜や早朝など寝静まっている時間帯は非常に静かな環境であるために、些細な音でもトラブルになることがあります。練習時間には十分配慮するようにしましょう。

歌う場所や向きを意識する

歌声は前方に向かって届きやすいため、前方方向への音の透過が起こりやすくなります。したがって、音漏れを避けたい場所とは反対の方向に向かって歌うようにすると効果的です。

一方、スピーカーは指向性のあるものもありますが、全方位に音が広がるタイプも多く存在します。そのため、可能であればクローゼットの中など、音が外に漏れにくい閉鎖された空間で歌うことをおすすめします。こうした工夫により、周囲への音漏れを抑えることができます。

自分でできる防音対策

ここからはお金をかけて防音したい方に向けて、ピアリビングでできる対策をご紹介します。対策を分類すると、

・音源を囲う方法

・お部屋の一部を遮音/吸音する方法

の2つが挙げられます。

3種類の「音源を囲う」防音対策

出来るだけ最低限のコストで最大限の効果を求める方には、「音源を囲う」対策が最もおすすめです。こちらの対策であれば、20dB以上も防音することが可能です。ピアリビングでは下記3つの方法をご案内しています。

デスクに置く防音ブースを導入する|20dB減(500Hzの時)

最もコストパフォーマンスが良く、防音性が高い対策方法がデスクに防音ブースを設置することです。ピアリビングで販売している防音ブース「HISOHISOブース」なら、20dB程の軽減が可能になります。

HISOHISOブース

防音ブース「HISOHISOブース」

防音効果:20dB減/高密度+サンドイッチ構造/オーダーカット可/3サイズ展開+オーダーサイズ対応/61,600円(税込)~

簡易防音室「おてがるーむ」の導入|20dB以上減(500Hzの場合)

最も防音効果が高い対策が簡易防音室の導入です。ピアリビングで販売している「おてがるーむ」は、壁、床、天井、全てが吸音材と遮音材で作られているので、非常に防音性が高いです。

おてがるーむ

簡易防音室「おてがるーむ」

防音効果:20dB減/吸音×遮音のサンドイッチ構造/簡単設置・再組立可/内寸幅815×高さ1880×奥行き1110mm/2色展開/209,000円(税込)

防音パネルでブースを作る

ワンタッチ防音壁

最後に防音パネルでブースを作る方法についてご紹介します。下記のように、ピアリビングのオリジナル防音パネル「ワンタッチ防音壁」・取付部材(塩ビジョイナー・ラブリコ・2×4材)を使って自身でブースを作る方法です。ブースを作る際は、極力開口部を少なくした方が効果が得られやすいです。

部分的な対策で遮音/吸音する

音源を囲う方法が防音効果としては最も効果的ですが、そちらの対策が難しい方は、下記のような対策も考えられます。先程よりも効果は落ちますが、徐々に対策箇所を広げることができます。

【窓】防音ボードの設置|〜20dB減

窓用ワンタッチ防音ボード

屋外への音漏れを気にされる場合は、防音ボードの設置がおすすめです。ピアリビングで販売している防音ボード「窓用ワンタッチ防音ボード」なら、中低音域(250〜800Hz)で10dB程の軽減が可能です。

(中高音域以上の高い音になると20dB近い軽減が可能です)

窓用ワンタッチ防音ボード

防音ボード「窓用ワンタッチ防音ボード」

防音効果:★★★★★/高気密+サンドイッチ構造/賃貸OK/幅300~3655mm×高さ300~2100mm,58mm厚/10色展開/22,000円(税込)~

▼一般の遮音カーテン・防音カーテン・防音ボードで防音実験を行った動画

【ドア】防音カーテンや防音ボードをつける|〜20dB減

窓用ワンタッチ防音ボード

室内ドアはお部屋の中で最も遮音性能が低いケースが多いです。(ただし賃貸マンションだと室内ドア以外に玄関ドアが存在するため、場合によっては対策の優先順位は低くなるかもしれません)防音カーテンや窓用ワンタッチ防音ボードでの対策が有効です。防音カーテンでは〜10dB、窓用ワンタッチ防音ボードだと〜20dBの軽減が見込めます。

防音カーテンコーズプレミア

防音カーテン「コーズプレミア」

防音効果:★★★☆☆/高密度生地/断熱・遮光1級/既製(幅110cm×丈135~250cm)orオーダーサイズ/2~3色展開/14,740円(税込)~

窓用ワンタッチ防音ボード

防音ボード「窓用ワンタッチ防音ボード」

防音効果:★★★★★/高気密+サンドイッチ構造/賃貸OK/幅300~3655mm×高さ300~2100mm,58mm厚/10色展開/22,000円(税込)~

▼ドアの前に防音カーテンを設置した場合の防音効果の検証動画

【壁】防音パネルを貼る|〜10dB減

ワンタッチ防音壁

「防音室を置きたくない」「なるべくお部屋の印象を変えたくない」そのような方には防音パネル「ワンタッチ防音壁」を貼る方法がおすすめです。簡易防音室に比べると防音効果は低下してしまいますが、お部屋が狭くならないかつお部屋の印象をそれほど変えずに防音対策ができます。

予算:約250,000円(7畳の部屋の壁1面のみに設置した場合)

ワンタッチ防音壁

防音パネル「ワンタッチ防音壁」

防音効果:最大10dB減/高密度+サンドイッチ構造/賃貸OK・オーダーカット・断熱/幅50~5400mm×高さ901~2700mm, 50mm厚/2種10色展開/17,600円(税込)~

【床】カーペットを敷く

静床ライト

カーペットを使用することで、お部屋内の音の響きを抑えて吸音することで、周りに伝わる音を小さくする方法も考えられます。ピアリビングでは下記の商品をお勧めしています。

静床ライト

防音タイルカーペット「静床ライト」

防音効果:ΔLL-4/特殊な3重構造/保温・断熱・防ダニ・防炎機能・カット可/50cm×50cm/12色展開/2,442円(税込)~

サンシンフォニー

防音ラグ「サンシンフォニー」

防音効果:ΔLL-6 / 高発泡ウレタンバッキング/ 防炎機能 / 既製3サイズ+オーダーサイズ対応 / 3色展開 / 3,850円(税込)~

【天井】吸音材を貼る

床と同様に天井に吸音材を貼ることで、お部屋の響きを抑えてくれます。ピアリビングでは裏面に両面テープが付いたウレタン吸音材「カームフレックス」をお勧めしています。

カームフレックス

ウレタン吸音材「カームフレックス」

密度:23(kg/m3)/0.1kg~0.2kg/中低音域の反響音対策/DIY・難焼・裏面粘着付/500×500mm,20mm・40mm厚/8枚13,200円(税込)~

カラオケの音トラブルを防ぐためのチェックリスト

これまでの内容を踏まえて、「カラオケの音でトラブルを防ぐために知っておきたいチェックリスト」を12個ご用意しました。これまでの復習を兼ねて、参考にしていただけたらと思います。

  • ◻︎カラオケの音量(歌声)が最大100dBまで及ぶことを理解している
  • ◻︎カラオケの音域は100Hz〜8kHzと非常に幅広く、曲によって大きく異なることを理解している
  • ◻︎歌う時間帯は常識的な範囲(早朝・深夜を避ける)にしている
  • ◻︎自宅が木造/鉄骨造/RC造(鉄筋コンクリート造)か把握している
  • ◻︎隣・上階・下階の部屋との間取り(壁や床の構造)を把握している
  • ◻︎自宅の構造を理解した上で優先すべき対策が分かっている
  • ◻︎生活音レベルの目安が40dB台であることを理解している
  • ◻︎現状の演奏時のdB数を測定・確認した
  • ◻︎建物の遮音性能に応じて、何dB抑える必要があるか把握している

まとめ

今回は、マンションでカラオケや歌を楽しみたい方に向けて、音のトラブルを防ぐための対策をご紹介しました。
歌声は音域も音量も幅広いため、まずはご自身の歌声がどの程度の音量なのかを確認し、その上で必要な防音対策を検討していただければと思います。

よくある質問

Q.マンションでカラオケをする場合、どのくらいの音量に抑えるべきですか?

A.中低音域(250〜800Hz)の歌声で考えると、木造なら室内音を60dB以下、RC造なら80dB以下に抑えるのが目安です。窓など屋外に音が漏れる箇所も意識し、T-1等級のサッシなら60dB以下が推奨されます。

Q.カラオケの音漏れを防ぐために最も効果的な防音対策は何ですか?

A. 最も効果的なのは「音源を囲う防音ブースの導入」です。ピアリビングでは「HISOHISOブース」や「おてがるーむ」など、20dB以上の防音効果を持つ製品を提案しています。

Q. 防音室を設置せずにできる簡単な防音対策にはどんな方法がありますか?

A.最も効果的な対策は防音室など音源そのものを囲う方法ですが、そちらが難しい場合は防音効果は落ちますが、部分的な吸音・遮音対策を行う方法も考えられます。具体的には、窓に「窓用ワンタッチ防音ボード」を設置する、壁に「防音パネル」を貼る、床にカーペットを敷く、天井に吸音材「カームフレックス」を貼るなど、部分的な遮音/吸音対策も考えられます。

Q.マンションでカラオケをする際、気をつけるべき時間帯はありますか?

A.はい。深夜や早朝など静かな時間帯は、些細な音でもトラブルになりやすいため、歌う時間帯には十分な配慮が必要です。

Q. 歌声の音漏れを減らすために歌う向きや場所は工夫できますか?

歌声は前方に届きやすいため、音を漏らしたくない方向とは反対に向かって歌うのが効果的です。スピーカーを利用される場合は、音が全方位に広がる可能性があるため、クローゼットの中など密閉された空間で歌うのもおすすめです。

Q. 自宅の構造によって防音対策の優先順位は変わりますか?

A.はい。木造・鉄骨造・RC造など構造によって遮音性能が異なるため、構造に応じて対策内容や音量の調整が必要です。

Q.カラオケ用に自宅を防音したい場合、費用の目安はどれくらいですか?

A.例えば、防音ブースは約60,000円〜、簡易防音室「おてがるーむ」は約200,000円〜、窓用防音ボードは約20,000円〜と、対策内容によって費用は異なります。

参考文献・出典