吸音材は、音の進む向きに対して正面に貼ると、もっとも効果を発揮します。
話し声なら顔の正面の壁、歌や配信ならマイクの正面、ピアノなら背面側の壁というように、「音が最初にぶつかる面」で音を受け止めるイメージで貼ると、室内の響きがぐっとおさまります。
貼る範囲を広げたり、厚みと密度のある吸音材を使うほど、反響音はさらに減っていきます。
ただし、隣の部屋や上下階への音漏れを止めたい場合は、吸音材だけでは足りません。
この場合は、音を通しにくくする「遮音シート」と組み合わせることが大切です。

この記事では、吸音材の違いや選び方・効果的な設置方法について、具体例を交えながら防音専門店の目線で解説します。
発した音がぶつかって返ってくるのが【反響音】

反響のもっとも分かりやすい例えが「やまびこ」です。
やまびこは、発した音が空気を伝い山にぶつかって、跳ね返ってくる、という仕組みで起こります。

お部屋の中での反響も同じです。
発せられた音が壁や床、天井にぶつかって跳ね返ることで、響きが生まれます。この響きが大きくなると人は耳障りに感じてしまいます。
響きやすいお部屋の特徴
お部屋で反響音が大きくなりやすい原因は下記などが挙げられます。
- 発せられる音が大きい
- 空間が狭い
- 家具などものが何もない
吸音材はこの響きを軽減するために用います。音の通り道に吸音材を設置することで、抜ける音のパワーを減衰させ、音の跳ね返りを穏やかにすることができるのです。
ちなみに、やまびこって「音をぶつける対象が固く大きな物体であること」「対象まで約300メートル程度の距離で障害物がないこと」などの発生条件があるのだそう。
やまびこが返ってくるって、結構ミラクルなんですね・・・。
吸音材の効果を最大限にする貼り方
基本は「音の正面」に貼る
吸音材は、音をぶつけにいくイメージで正面に貼るのが基本です。
- 話し声の響きをおさえたい
- 話している人の正面の壁に、顔より少し広い範囲で貼る
- オンライン会議やゲーム配信の声をクリアにしたい
- マイクやモニターの正面の壁に貼る
- 歌や楽器の録音をしたい
- 歌っている方向、演奏している方向の正面の壁やパネルで受け止める

設置範囲を広げていくほど、反響は徐々にやわらいでいきます。
また、厚みと密度がある吸音パネルほど、音をしっかり吸い込んでくれるため、効果を感じやすくなります。
高さを合わせると効果が出やすい
音は空気を伝うもの。設置の際には高さも意識しましょう。
音がぶつかる位置と吸音材の中心がずれてしまうと、せっかくの効果が弱くなってしまいます。まずは「自分の口や楽器の高さ」と同じ位置を狙うのがおすすめです。
正面で足りなければ、左右や天井も検討する
音は空気を伝って、正面だけでなく上下左右にも広がります。
正面に貼ってみて、まだ響きが気になる場合は次の順番で追加していくとバランスを取りやすくなります。
楽曲制作などで「少し響きを残したい」という場合は、少しずつ範囲を広げて、自分好みの響き方になる位置を探してみてください。
賃貸でもOK!さまざまな吸音材の設置方法
吸音材を壁に設置する方法をいくつか紹介します。
・テープで貼り付ける・・・テープ自体の粘着力にもよりますが、シンプルで固定しやすい方法です。ピアリビングで販売している商品だと、「コニシ」のボンドテープという商品が重みのある吸音材でも、しっかり固定してくれるのでおすすめです。テープの厚みがあるものを選ぶと、吸音材が剥がれづらいので◯。
・マジックテープで貼り付ける・・・市販のマジックテープの片側を壁に、もう片側を吸音材に貼って設置する方法です。手軽ですが粘着や固定力が弱いので、軽い吸音材を用いる際におすすめです。
・つっぱり棒で押さえつけて設置する・・・壁の前に並べた吸音材を押さえつけるように、突っ張り棒を天井から床につっぱることで固定します。吸音材は下(床)から積み上げる必要があるため、広い範囲に対策をする際におすすめです。
また、接着ではないので、賃貸住宅など原状復帰が必須な場所におすすめです。
ピアリビングでは、突っ張るタイプの固定部材として、ラブリコやつっぱりポール、カーテンポールなどをご用意しております。

※吸音材を直接貼り付ける方法は、既存の壁紙を痛めてしまう可能性がございますので、壁紙の損傷などを考慮した上で、設置方法を選んでいただくことをおすすめします。
よくある吸音材とピアリビングの吸音材はどう違う?
「吸音材」と調べてみると、価格も素材も、さまざまな商品が出てきますよね。どれを選んだらいいのか分からない!と混乱してしまう方も多いと思います。
そこで、よくある吸音材と防音専門店であるピアリビングの吸音材をそれぞれ解説していきます。
よくある吸音材
たまごパック

スーパーでお馴染みの紙製の卵パックですが、単体での防音効果あまり期待できず、卵がはいる凹凸に音が入ることで、壁にぶつかる音を拡散して吸音効果が若干得られるほどです(無いよりはあった方が・・・・くらいの感じです)。
波型ウレタン

こちらもよく見る吸音材ですね。凹凸により音をキャッチする表面積が増えるので、反響音に対して効果が無いわけではありませんが、安価なものは密度が低いことが多く、その結果「思っていたほどの効果を感じなかった」となってしまう場合も。
ラグやクッション、布団やお洋服など
これらも吸音に一役買っているのです。引越したての何もないお部屋って、かなり音が響きませんか?家具やその他荷物を搬入した後に響きが落ち着くのは、ラグやクッション、布団やお洋服などが吸音材と同じような役割を果たしているためです。
意外なところで防音って成り立っているんですね〜。
手軽に響きを軽減したい!という場合は、お部屋に物を増やしてみたり、パイルやシャギーなどの、毛足のあるラグを広めに敷いてみても良いと思います。
個人的には、吸音材を導入するよりもお部屋に溶け込みやすい対策なので、とってもおすすめです★
ピアリビングの吸音材
ピアリビングで取り扱っている吸音材は、素材や密度を重視したものばかりです。
例えば、手軽に加工して取り付けられるような軽いものでも、気泡では無く繊維状の素材を採用することで、吸音効果を高めています。また、本格的に対策をしたい方へ向けた、高密度な吸音材も取り扱っております。
高密度吸音材「ロックウールボード」
湿気に強いロックウール素材の吸音材。密度が非常に高いので、中高音域の音から低音域の音まで防音対策をするのにおすすめの吸音材です。

ポリエステル吸音材「ポリリーフ」
「ポリリーフ」は、お洋服などにもよく使用されるポリエステル繊維を使用した吸音材なので、小さなお子様がいるご家庭でも安心・安全にご利用いただける吸音材です。表面にお好みのクロスを貼り合わせることで、お部屋の雰囲気に合わせてカスタマイズも可能です。

グラスウール吸音材「GCボード」

音漏れを防ぎたいなら吸音だけじゃ難しい!
これまで、反響音と吸音についてご紹介してきましたが、吸音材はあくまでも飛び交う音を吸収して和らげるもの。「向こう側に音を漏らしたくない!」という場合には、吸音材では難しいです。
その場合は、音を遮る作用のある遮音シートの併用をおすすめします。吸音材で穏やかになった音を、さらに遮音シートでガードするイメージです。
音の響きだけではなく、壁の向こう側に漏れる音を軽減したい場合は「吸音+遮音」を重視して対策してみてくださいね。

★DIYは難しい!という方には「ワンタッチ防音壁」がおすすめです!
高密度のグラスウール吸音材で遮音シートを挟み込んだサンドイッチ構造が、高い防音効果を発揮します。壁側はガラスクロスですが、表面は壁紙調や布調のクロスで仕上げるので、チクチクしないのが魅力。対策したい範囲に応じて、1mm単位でお作りします。
ピアリビングの吸音材(番外編)
HISOHISOブース
お客様の「あったらいいな!」から生まれた商品のひとつ。先ほど紹介した、人気商品のかんたんに取り付けられる防音壁「ワンタッチ防音壁」と同じ素材・構造をベースとしたコの字型のパーテーションです。
宅録やライブ配信、ゲーム内のボイスチャットなどでの声が外に漏れるのを軽減します。まだまだ改良を続けているので、面白いアイデアが浮かんだ時は、ぜひピアリビングにお声をお寄せくださいね!

ピアノ用防音パネル
こちらもワンタッチ防音壁と同じ素材・構造をベースとしたパネルです。
アップライトピアノの背面から出る音をパネルで受け止めて、主に反響音やパネルの向こう側に抜ける音を穏やかにします。ピアノの背後の壁に立てかけるように設置するので、特に固定の必要はありません。
目的としては「調音」という、響きすぎるピアノの音を穏やかにするためなので、ピアノの音を外に漏らしたくない場合には、さらに広範囲での対策が必要です。

吸音パーテーション
こちらもワンタッチ防音壁と同じ素材・構造をベースとしたパーテーションです。
応接室などで簡易的な仕切りとしてご使用いただけます。効果としては反響を和らげるほどなので、声を外に漏らしたくないという場合は、広い範囲の対策や囲いを作るなど、さらに手厚い対策が必要です。

ワンタッチ防音テレビボード
こちらもワンタッチ防音壁と同じ素材・構造をベースとしたコの字型のパーテーションです。
テレビの背面に抜ける音を軽減し、テレビの正面に無駄なく音を届けることができるので、臨場感を味わいたい映画鑑賞などにぴったりです。

快適集中パーテーション ココスペース
フェルト生地で作った折りたためる軽量パーテーションです。
効果は、タイピング音などの小さな音の反響を和らげるほどなので、仕切ることで視覚的に集中したい際におすすめです。

畳無音
持ち運べる防音畳としてもお使いいただけますが、立てると簡易的なパーテーションとして空間を仕切ることも◯
効果はココスペースと同じく、タイピング音などの小さな音の反響を和らげるほどになるので、仕切ることで視覚的に集中したい際におすすめです。

まとめ
吸音材は、音の向きに対して正面で受け止めるように設置すると、最大限に効果を発揮できます。
また、なるべく近く狭い位置で受け止めるほど効果的なので、広いお部屋で対策をする場合は、パーテーションやカーテンなどで仕切りを設けて対策するなどの工夫をおすすめします。
ピアリビングでは、さまざまな種類の吸音材や遮音シート、手軽に取り付けられる防音ボードなどを取り扱っているので、軽減したい音の種類やご予算に応じて、対策方法を選んでみてくださいね。
もし「どれを選んだらいいのか分からない」と悩んでしまった時は、お気軽にピアリビングにご相談ください。取扱商品はもちろん、身近に市販されているものなども含めて、お客様のご希望に沿った対策をご提案させていただきます。いつでもお待ちしております。

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よくある質問(FAQ)
A. 吸音材は音の進む方向に対して貼るのが最も効果的です。尚、話し声であれば、話している人の正面の壁に、顔より少し広い範囲で貼ると反響を効率よく抑えられます。また、天井や床、側面の壁にも設置することで、より均等な音の吸収が可能になります。
A. いいえ、音漏れを防ぎたい場合、吸音材だけでは不十分です。
吸音材はあくまで室内で反響する音を吸収し、音の響きを和らげる効果がありますが、音自体を遮断する効果は高くありません。
「向こう側に音を漏らしたくない」という場合には、音を遮る効果のある遮音シート(防音シート)との併用が推奨されます。
A. 対策場所と音源で最適解は変わりますが、音漏れを減らす目的なら“すき間→面”の順で対策するのが鉄則です。
まずドアの戸当たりや下端、窓まわりにあるすき間を、隙間テープや遮音テープ・吸音材などで気密することで、目安として3〜6dBほど改善する場合があります。
壁に設置する場合は、音源側の壁面全面に防音シートや遮音シートを設置していただくことをおすすめいたします。その上から吸音材を併用することで効果を体感しやすくなります。
吸音材で音のエネルギーを減衰させた上で、遮音シートでさらに音を遮断するイメージで対策を行うと効果的です。
A. 吸音材の効果を最大限に引き出すためには、以下の点に注意することが重要です。
必要に応じて遮音対策と組み合わせる.音漏れを防ぎたい場合は、吸音材だけでなく遮音シートなども併用しましょう。
音の向きに対して正面に設置する.音が最初に当たる場所に設置することで、効率的に音エネルギーを吸収できます。
音源に近い場所に設置する.音は距離が離れるほど減衰しますが、吸音材は音源に近いほど効果を発揮します。広い部屋で対策する場合は、パーテーションなどで区切って吸音範囲を狭めるのも有効です。
軽減したい音の種類や目的に合わせて適切な吸音材を選ぶ.素材や密度によって得意な音域が異なるため、対策したい音の種類に合わせて選びましょう。
A. 防音シートは「音を遮る(遮音)」ためのもので、音の漏れを防ぐ効果があります。
一方、吸音材は「音を吸収する」ことで反響を抑え、室内の音の響きを調整する役割を果たします。
防音効果を高めるには、両方を組み合わせることが推奨されます。
A. 吸音材は「音が跳ね返る場所」に設置するのが最適です。
例えば、話し声の反響を抑えたい場合は、話す人の正面の壁に設置すると効果的です。また、天井や床、側面の壁にも設置することで、より均等な音の吸収が可能になります。
A. 賃貸でも使える防音対策としては、テープやマジックテープを使用して吸音材を設置する方法や、突っ張り棒を利用して吸音材を固定する方法があります。また、「ワンタッチ防音壁」のような取り外し可能な防音アイテムもおすすめです。
A. 簡単にできる防音対策としては、以下のような方法があります。
- 防音カーテンを設置する(窓からの音漏れ対策)
- 防音マットを敷く(床からの振動音対策)
- 家具を配置する(壁の音の反射を軽減)
- 吸音パネルを壁に設置する(反響音を抑える)
- ドアの隙間をふさぐ(防音テープや隙間シールを使用)
A. 吸音材を設置する際には、以下の点に注意しましょう。
- 壁紙を傷つけないように注意する(賃貸の場合は特に)
- 音の発生源と反射面を意識して配置する
- 吸音材の厚みや密度を考慮する
- 設置方法(粘着テープ・マジックテープ・突っ張り棒など)を用途に応じて選ぶ
A. 音楽制作やゲーム実況では、反響を抑えてクリアな音を録音することが重要です。以下の対策が効果的です。
- 床に防音マットを敷いて振動を抑える
- 録音ブースの設置(HISOHISOブースなど)
- マイク周辺に吸音材を設置
- 防音パネルやパーテーションで周囲の音を遮る
A. 楽器の防音には、以下のような対策が有効です。
- 防音室を設置する(本格的な防音対策)
- ピアノ用防音パネルを設置(背面からの音漏れ防止)
- 防音マットを敷く(振動音を軽減)
- 壁や天井に吸音材を貼る(反響音を抑える)
A. 吸音材の種類が多くてどれを選べば良いか迷った場合は、遠慮なく防音専門店のピアリビングに相談することをおすすめします。
専門的な知識を持ったスタッフが、軽減したい音の種類や予算、設置場所などの状況に合わせて、最適な吸音材や対策方法を提案してくれます。
A. 賃貸でも使える方法として、粘着テープ、マジックテープ、突っ張り棒を使った設置方法があります。原状回復可能で、壁を傷つけないのが特長です。
A. 音漏れを防ぐには、吸音材だけでは不十分です。吸音材はあくまで室内で反響する音を吸収し、音の響きを和らげる効果がありますが、音自体を遮断する効果は高くありません。吸音材で音の反響を抑えつつも、重さのある防音材を使用するなどの遮音対策が大切です。
A. はい、ラグやクッション、布団なども吸音効果があり、部屋の響きを和らげる役割があります。家具がない部屋では音が響きやすくなるため、物を増やすのも有効です。
A. 強力な両面テープ、タッカー、虫ピンなどを使用することで壁に固定することができます。こちらのページでは遮音シートと吸音材の設置方法についても解説しています。
https://www.pialiving.com/c/soundproof_diy_materials/sound_insulation/shound_sheet
A. 部屋の反響音を抑えるには効果がありますが、音漏れ対策としては不十分です。音漏れを防ぐには遮音材との併用が推奨されます。
A. ピアリビングでは、設置するだけで使える防音パネル「ワンタッチ防音壁」をご用意しています。工事不要のため、賃貸住宅でも安心してご利用いただけます。吸音性に優れたグラスウールを使用し、さらに遮音シートを併用することで、重量感があり遮音効果も得られます。
A. どの程度の効果を求めるかによりますが、例えば自社の実験では、お部屋の壁一面に吸音材を貼り、床に防音マットを敷いた場合、室内の音が約5dB軽減され、やや音が小さく感じられるレベルになったという事例があります。
A. 一般的には遮音材を壁に貼り、その上に吸音材を重ねる構成が効果的です。音漏れを防ぎつつ、反響音を抑えるためです。
A. 話し声であれば、正面の壁に貼るだけでも効果がありますが、音楽演奏などの場合は音が反響するため、すべての面に貼るのが効果的です。音はその種類によって進む方向が異なるため、用途に応じた対策が重要です。
A. はい、防音専門のピアリビングでは無料の防音相談を実施しています。
お客様の環境や目的に応じた最適な防音対策をご提案いたします。