「ゲームの声がうるさいと苦情が来た…」「思いっきり楽器演奏を楽しめる空間が欲しい！」

そんな騒音問題を解決してくれる夢のような空間、防音室。もしあなたが、近隣住民からの騒音の苦情に悩まされ、一刻も早くその状況から解放されたいと願っているなら、防音室は魅力的な選択肢の一つでしょう。

しかし、防音室の導入は後悔につながる可能性も秘めています。「こんなはずじゃなかった…」と導入後に頭を抱えることにならないよう、この記事では防音室の隠れたデメリットに焦点を当て、徹底的に解説していきます。

防音室のデメリット①：コストの問題 – 予算オーバーは避けられない？

防音室の導入を検討する際、まず頭に浮かぶのは「どれくらいの費用がかかるのだろう？」という疑問ではないでしょうか。騒音から解放される快適な環境を手に入れるためには、ある程度の投資が必要になることは覚悟しておく必要があります。しかし、そのコストは想像以上に多岐にわたり、予算を大幅にオーバーしてしまう可能性も否定できません。

初期費用の高さ：想像以上にかかる設置費用

防音室の初期費用は、その種類やサイズ、性能によって大きく変動します。既製品の簡易的なものであれば比較的安価に済む場合もありますが、本格的な防音工事を伴うオーダーメイドの防音室となると、数百万円単位の費用がかかることも珍しくありません。

簡易防音室（組立式防音室）
広さ：1~3畳
価格帯：10万円～50万円程度

ユニット式防音室(施工を伴う組立式防音室)
広さ：4畳～6畳
価格帯：100万円～300万円程度

造作防音室(設計・施工する防音室)
広さ：6畳以上
価格帯：100万円～数百万円以上

例えば、本格的な楽器演奏などに対応できるレベルの防音室を施工する場合、壁、天井、床の防音工事に加え、防音ドアや二重窓、換気設備の設置などが必要になります。これらの工事費用や設備費用、そして設置工事の人件費などを合計すると、決して安価とは言えない金額になるでしょう。

防音室の値段に関してこちらの記事で詳しくご紹介しています。

【完全ガイド】防音室の平均的な値段は？費用相場から設置の注意点まで徹底解説

「ゲーム配信や楽器演奏を始めたら、騒音の苦情が来てしまった…」 そんな経験はありませんか？趣味を思い切り楽しみたいのに、周りの目を気にして我慢するのは辛いで…

ピアリビングでは、組立式の簡易防音室の「おてがるーむ」を取り扱っております。
組み立ても簡単で、お引越しする際も解体してまたお使いいただくことも可能です。

ランニングコスト：電気代やメンテナンス費用も見逃せない

防音室の導入にかかる費用は、初期費用だけではありません。導入後も、維持していくためのランニングコストが発生することを忘れてはいけません。

特に、密閉性の高い本格的な防音室では、換気システムやエアコンの稼働が必須となります。換気システムなどを稼働させておく必要があるため、電気代が通常よりも高くなる可能性があります。

移設・撤去費用：将来的なコストも考慮しておこう

もし将来的に引っ越しをする可能性があるのであれば、防音室の移設や撤去にかかる費用も考慮しておく必要があります。簡易的な防音ブースであれば比較的容易に移設できるかもしれませんが、本格的な工事を伴う防音室の場合、移設は困難であり、撤去する際には高額な費用が発生する可能性があります。

特に賃貸物件に防音室を設置した場合、退去時には原状回復義務が発生するため、撤去費用は必須となります。これらの将来的なコストも念頭に置いて、導入を検討する必要があります。

費用対効果：本当に価格に見合う価値があるのか？

高額な費用をかけて防音室を導入したとしても、その効果が期待していたほど得られない場合もあります。例えば、設置した防音室の性能が不十分で、依然として騒音が気になる、あるいは室内の音が反響して使いにくいといったケースも考えられます。

費用対効果をしっかりと見極めるためには、自身の使用目的や頻度、そして期待する効果を具体的にイメージし、それに見合うだけの価値があるのかどうかを慎重に判断する必要があります。

防音室の導入は、騒音問題を解決するための有効な手段の一つですが、その裏には決して無視できないコストの問題が存在します。初期費用だけでなく、ランニングコストや将来的なコストも考慮し、自身の予算と照らし合わせながら、慎重に検討を進めることが重要です。

防音室のデメリット②：空間と設置場所の制約 – 理想の間取りは実現できる？

騒音対策として魅力的な防音室ですが、その設置には空間と場所に関する様々な制約が伴います。特に、既存の住宅に後付けする場合や、賃貸物件に住んでいる場合は、間取りや構造上の制限を受けることが多く、理想通りの防音室を実現できない可能性も考慮しておく必要があります。

設置スペースの確保：意外と場所を取る防音室

造作の防音室は、壁や天井、床に吸音材や遮音材などを組み込むため、一般的な部屋よりも壁厚が厚くなる傾向があります。また、楽器や機材を置くスペース、そして人が快適に活動できる広さを確保しようとすると、意外と広い設置スペースが必要になります。

特に、マンションやアパートなど、限られた居住スペースしかない場合、ユニット式等の防音室を設置することで部屋が狭くなったり、収納スペースが減少したりする可能性があります。導入前に、防音室に必要な広さをしっかりと把握し、自宅の間取りとの兼ね合いを慎重に検討する必要があります。

既存の部屋への設置：工事の制約と注意点

既存の部屋に後から造作の防音室を設置する場合、建物の構造によっては大掛かりな工事が必要になることがあります。例えば、壁を剥がして遮音材を充填したり、床を二重構造にしたりする工事は、時間も費用もかかります。

また、マンションなどの集合住宅では、管理規約によって工事の内容や時間に制限が設けられている場合があります。事前に管理会社に確認し、許可を得る必要があることも覚えておきましょう。

さらに、工事の際には騒音や振動が発生するため、近隣住民への配慮も欠かせません。工事期間や内容を事前に周知するなど、トラブルを避けるための対策が必要です。

賃貸物件への設置：原状回復義務と許可の必要性

賃貸物件に防音室を設置する場合は、さらに多くの制約を受けることになります。壁や床、天井に手を加えるような本格的な防音工事は、基本的に大家さんや管理会社の許可が必要です。無断で工事を行うと、契約違反となる可能性もあります。

また、退去時には原状回復義務が発生するため、設置した防音設備を撤去し、元の状態に戻さなければなりません。簡易的な防音ブースであれば比較的容易に撤去できますが、工事を伴う場合は撤去費用も考慮しておく必要があります。

さらに、防音室の導入はお部屋の中にお部屋を作ることとなるため、場合によっては消防法の兼ね合いや床面の耐荷重の問題から防音室の導入自体ができない場合もあります。

賃貸物件で防音対策を検討する場合は、まず大家さんや管理会社に相談し、どのような対策が可能かを確認することが重要です。許可を得られたとしても、原状回復にかかる費用や手間を考慮すると、簡易的な防音対策に留める方が賢明な場合もあります。

防音室のデメリット③：性能と限界 – 過信は禁物！完璧な防音は難しい

防音室を導入すれば、完全に騒音から解放される、そう考えている方もいるかもしれません。しかし、実際には、防音室の性能には限界があり、過信してしまうと期待外れの結果になる可能性もあります。

音の種類と周波数：全ての音を遮断できるわけではない

音には様々な種類があり、それぞれ周波数が異なります。一般的に、低音域の音（例えば、ドラムの重低音やベースの音）は、中・高音域の音（例えば、金管楽器の音や人の話し声）に比べて遮断するのが難しいとされています。

市販されている防音室や、一般住宅における防音工事では、特定の周波数帯域の音に対して効果を発揮するように設計されていることが多く、全ての種類の音を完全に遮断できるわけではありません。

例えば、楽器演奏用の防音室であっても、非常に低い周波数の振動音は、壁や床を伝わって外部に漏れてしまうことがあります。

構造による性能差：簡易的なものから本格的なものまで

防音室には、簡易的な組み立て式のものから、壁や天井、床を専門的に工事する本格的なものまで、様々な種類があります。当然ながら、その構造によって防音性能には大きな差が生じます。

比較的安価な簡易防音ブースは、一般的に吸音効果に重点を置いており、音の反響を抑える効果は期待できますが、遮音性能はそれほど高くありません。

ピアリビングの組立式簡易防音室「おてがるーむ」は、吸音効果だけでなく遮音性能も高めるために遮音シートを組み込んでおり、性能としては500Hzの高さの音に対して平均最大27dBの軽減効果があります。

以前こちらの動画では、おてがるーむの効果を検証しておりますので、気になった方はぜひこちらの動画で確認されてみてください。

一方、ユニット式や造作の防音室は、簡易防音室よりも遮音性能が高く、外部への音漏れを大幅に軽減できますが、その分費用も高額になります。

自身の目的や、発生させる音の種類、そしてどの程度の防音性能を求めるのかを明確にし、それに合った防音室を選ぶことが重要です。

発声・演奏への影響：室内での音の響き方も注意

防音室は外部への音漏れを防ぐ効果が期待できますが、一方で、室内の音響特性が変わることも考慮しておく必要があります。特に、吸音材を多用した部屋では、音が反響しなさすぎたり、特定の周波数帯域が強調されたりすることがあります。

楽器演奏や音楽鑑賞を目的とする場合は、室内の音響バランスを調整するために、追加の吸音材や反射材を設置するなど、音響対策が必要になる場合があります。また、声がこもって聞こえたり、反響が少ないことで話しにくさを感じたりすることもあります。

防音室は、騒音問題を解決するための有効な手段ですが、その性能には限界があることを理解しておく必要があります。過度な期待は禁物であり、自身の目的や発生させる音の種類に合わせて、適切な防音レベルの防音室を選ぶことが重要です。また、細部の対策や室内の音響特性にも配慮することで、より快適な防音環境を実現できるでしょう。

防音室のデメリット④：心理的な影響 – 閉鎖空間がもたらす意外な側面

騒音から解放され、趣味や作業に没頭できるはずの防音室。しかし、その閉鎖的な空間は、時に予期せぬ心理的な影響を及ぼす可能性があります。特に、長時間利用する場合や、もともと閉鎖空間に苦手意識がある場合は、注意が必要です。

閉塞感や圧迫感：狭い空間での長時間の利用

多くの防音室は、限られたスペースに設置されることが多く、特に簡易的な防音ブースなどは、かなり狭い空間になることがあります。このような狭い空間で長時間過ごすと、閉塞感や圧迫感を感じ、ストレスにつながる可能性があります。

窓のない防音室の場合、外界との隔たりを感じやすく、気分転換がしにくいというデメリットもあります。長時間の作業や趣味に没頭する際には、適度な休憩を挟む、換気をしっかり行うなど、意識的に対策を講じる必要があります。

換気不足による健康への影響：暑さ対策

密閉性の高い防音室は、熱がこもりがちです。特に、換気設備がない、または性能の低い換気設備しか備わっていない場合、室内の熱がこもり、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

防音室を利用する際は、暑さ対策を心がけることが非常に重要です。定期的な換気を行なったり、エアコンの冷風を取り入れるなど、暑さ対策をする必要があります。

ピアリビングの「おてがるーむ」は、暑さ対策の方法をYouTubeにて解説しています。ご検討の際はぜひご参照ください。

音の過敏症：防音室に依存してしまう可能性

騒音に悩んでいた人が、静かな防音室で過ごすことに慣れてしまうと、逆に少しの生活音にも過敏になってしまうことがあります。これは、防音室という特殊な環境に過度に依存してしまうことで起こりうる心理的な影響です。

一度静かな環境に慣れてしまうと、日常生活の中で発生する様々な音（例えば、家族の話し声、家電製品の動作音、近所の生活音など）が以前よりも気になり、かえってストレスを感じやすくなる可能性があります。

防音室は、騒音から解放される快適な空間を提供する一方で、様々な心理的な影響を及ぼす可能性があります。これらのデメリットを理解した上で、適切な対策を講じながら、防音室を有効活用することが重要です。

防音室のデメリット⑤：メンテナンスと管理 – 手間をかけないと性能低下も

防音室は、一度設置したら終わりというわけではありません。その性能を維持し、快適な環境を保つためには、定期的なメンテナンスと管理が不可欠です。

定期的な清掃の必要性：ホコリや湿気対策

密閉性の高い防音室は、空気がこもりやすく、ホコリや湿気が溜まりやすい環境です。特に、楽器演奏や運動などで汗をかく場合は、室内の湿度が高くなり、カビや雑菌が繁殖する原因になります。

定期的に清掃を行い、ホコリを取り除くことはもちろん、除湿機や換気扇を活用して湿度を適切に管理することが重要です。放置すると、不衛生な環境になるだけでなく、部品の劣化を早める可能性もあります。

部品のメンテナンス：維持管理にかかる費用と手間

防音室のメンテナンスや修理は、自分で行えるものもありますが、専門的な知識や技術が必要な場合もあります。例えば、防音ドアの調整や、劣化した部品の交換などは、専門業者に依頼する必要があるかもしれません。

これらの専門業者への依頼には、当然費用がかかります。防音室の導入費用だけでなく、長期的な維持管理にかかる費用も考慮しておく必要があります。

それでも防音室が必要なあなたへ：購入前に確認するべきポイント５選

ここまで、防音室の様々なデメリットについて詳しく解説してきました。しかし、それでも「やはり自分には防音室が必要だ」と感じている方もいるかもしれません。そのような方が後悔しない賢い選択をするために、以下のポイントを参考にしてみてください。

目的を明確にする：なぜ防音室が必要なのか？

まず、なぜ防音室が必要なのか、その目的を具体的に明確にしましょう。「楽器演奏を思い切り楽しみたい」「ゲーム配信で騒音を気にせず没頭したい」「仕事に集中できるスペースを作りたい」など、具体的な目的を持つことで、必要な防音性能や広さ、設備などが明確になります。

目的が曖昧なまま導入してしまうと、「思ったほどの性能が出ない」「広さが足りない」「結局ほとんど使わなかった」といった後悔につながる可能性があります。

予算を決める

次に、防音室にかけられる予算を明確にしましょう。初期費用だけでなく、ランニングコストや将来的なメンテナンス費用も考慮し、無理のない範囲で検討することが重要です。

価格だけでなく、性能やアフターサービスなども比較検討することをおすすめします。安すぎる場合は、性能が不十分だったり、保証がなかったりする可能性もあるため、注意が必要です。

情報収集を徹底する：複数の業者から見積もりを取る

防音室の導入を検討する際には、一社だけでなく、複数の専門業者から情報を収集し、見積もりを取りましょう。各社の提案内容や価格、実績などを比較することで、より自分に合った業者を見つけることができます。

また、実際に防音室を導入した人のレビューや評判なども参考にすると良いでしょう。インターネット上の情報だけでなく、可能であれば、実際に防音室を見学したり、体験したりする機会を探すのも有効です。

体験できる機会を探す：実際に防音室を体験してみる

もし可能であれば、実際に防音室を体験してみることを強くおすすめします。楽器店やショールームによっては、防音室の体験スペースが設けられている場合があります。

ピアリビングでは、福岡と東京にショールームを設けており、
両方のショールームで簡易防音室「おてがるーむ」を体験することができます。

実際に中に入って音を出したり、外の音を聞いたりすることで、カタログやWebサイトの情報だけでは分からない、実際の防音性能や快適性を肌で感じることができます。体験してみることで、導入後のイメージがより具体的になり、後悔を防ぐことができるでしょう。

専門家への相談：後悔しないためのアドバイス

まずは、防音の専門家に相談することをおすすめします。専門家は、あなたの目的や予算、そして住居の状況などを考慮した上で、最適な防音室の提案やアドバイスをしてくれます。疑問や不安な点を遠慮なく相談し、納得のいくまで話し合うことで、後悔のない防音室選びができるはずです。

ピアリビングでは、メール・LINE・電話・ZOOM（オンライン防音相談）・対面（ショールーム）でのご相談窓口を設けております。

まとめ：デメリットを理解した上で、理想の防音環境を

この記事では、「防音室にはどんなデメリットがありますか？」という疑問にお答えするために、防音室の導入前に知っておくべき様々な側面、特にデメリットに焦点を当てて詳しく解説してきました。

初期費用やランニングコストといった経済的な負担、設置場所や空間の制約、完璧ではない防音性能、閉鎖空間がもたらす心理的な影響、そして維持管理の手間。これらのデメリットは、防音室の導入を検討する上で決して無視できない重要な要素です。

重要なのは、防音室のメリットだけでなく、デメリットも十分に理解した上で、自身の目的や予算、そしてライフスタイルに合った選択をすることです。

この記事が、あなたが後悔のない防音室選びをするための参考になれば幸いです。

よくある質問(FAQ)