リビングや子ども部屋からの音漏れが、引き戸をすり抜けて耳に刺さるーーそんな経験はありませんか?

構造上、引き戸は開き戸よりも-5〜10dBほど遮音性能が下がってしまうため、室内でも音漏れしやすい場所になります。

そんな引き戸ですが、実は賃貸でも試せる3ステップ「①隙間テープで密閉、②防音カーテンで質量と吸音を追加、③防音ボードで扉の防音性能を強化」で、話し声などの音が最大-10 dBまで軽減することが出来ました。この記事では、3ステップの対策方法について具体的にご紹介します。

読み終わる頃には、簡単に引き戸の防音性能を高められるようになるはずです。

目次
  1. 引き戸は開き戸に比べて音漏れしやすい?
  2. 簡単3ステップ!引き戸の防音対策
    1. 1, 隙間用テープで隙間を塞ぐ
    2. 2, 引き戸の前に防音カーテンを設置する
    3. 3, 引き戸に防音ボードを設置する
      1. ふすまを防音壁で塞いで対策してみた【防音実験の結果あり】
  3. 対策別|引き戸の防音対策実験効果を検証
    1. 「レベル1:隙間テープ」を使って対策した場合
    2. 「レベル2:防音カーテン」を使って対策した場合
    3. 「レベル3:防音ボード」を使って対策した場合
      1. グランドピアノの音の実験結果
      2. アコースティックギターの音の実験結果
      3. テレビの音(スピーカーから音を出して計測)の実験結果
  4. まとめ
  5. 引き戸の防音対策 よくある質問(FAQ)
    1. Q. 引き戸やスライドドアはなぜ音漏れしやすいのですか?
    2. Q. 引き戸の防音対策にはどんな方法がありますか?
    3. Q .隙間テープでの防音効果やメリットはありますか?
    4. Q. 防音ボード(ワンタッチ防音壁)の効果はどれくらいありますか?
    5. Q. 賃貸物件でもできる引き戸の防音対策はありますか?
    6. Q. 引き戸やスライドドアの防音で最も重要なポイントは何ですか?
    7. Q. 防音相談を受けることはできますか?
    8. Q. 引き戸の防音対策はどうすればいいですか?
    9. Q. ドアの隙間テープの貼り方は?
    10. Q. 引き戸のレールから音が鳴るのはなぜですか?

引き戸は開き戸に比べて音漏れしやすい?

引き戸で仕切られた部屋の方が声や音が漏れやすい原因として、引き戸は開き戸に比べて平均で5〜10dBほど遮音性能が劣ることが実測データから分かっています。

その理由は、戸先やレールに残る小さな隙間、そして軽量な扉構造が音の通り道を作ってしまうためです。

数値ではわずかに見えても、体感では「声がひとつ遠のく」ほどの差があると言われます。まずはこの構造的な弱点を知ることが、静かな住まいづくりの第一歩になります。

参照:https://be-enough.jp/blog/performance/insulation/p27381/(BE ENOUGH)

簡単3ステップ!引き戸の防音対策

そんな引き戸ですが、現状復旧可能な3ステップで、開き戸と同程度まで遮音性能を高めることが可能です。

1, 隙間用テープで隙間を塞ぐ

最も簡単にでき、且つ優先度が高いのは、ドアの隙間を隙間テープで埋めてしまう方法です。

セメダイン すきま用テープ

窓やドアなどの隙間からの音漏れに

カット可/発泡ウレタン素材/幅15mm×長さ4m×5mm厚/価格:1,650円(税込)

引き戸に防音カーテンや防音ボードで対策しても、隙間があるとそこから音が漏れたり侵入してしまうため、まずは引き戸の隙間をしっかりと塞ぎましょう。

また、隙間テープでしっかり引き戸の隙間を埋めていただくことで、

  • 冷暖房の効果アップ
  • 虫の侵入防止
  • 戸当たり音の防止

といった、嬉しい効果も期待できます。

隙間テープは、100円均一にも様々なサイズや種類のものがあるので設置箇所に合わせて設置が可能です。

2, 引き戸の前に防音カーテンを設置する

隙間対策をしても、まだ音漏れが気になる場合は防音カーテンの設置がおすすめです。

防音カーテンコーズ両面仕様

防音カーテン コーズ両面仕様

防音カーテンコーズをリバーシブルに改良しました。

防音効果:★★★★(6〜8.9dB)/高密度生地+凸凹吸音布/両面同生地・断熱・保温・遮光1級/オーダーサイズのみ/5色展開/24,970円(税込)〜

カーテンレールがなくても、突っ張り棒に通すだけでご使用いただける「パーテン」なら、壁にカーテンレールが取り付け出来ない賃貸住宅でもお使いいただけます。

パーテン防炎タイプ

防音カーテン パーテン 防炎タイプ

突っ張り棒で取り付けられる、防炎生地を使った両面仕様の防音カーテンです。

高密度生地/防炎・断熱・保温・遮光1級/オーダーサイズ幅30~135cm×丈30~320cm/7色展開/24,530円(税込)〜

3, 引き戸に防音ボードを設置する

出来るだけ引き戸の防音性能を高めたい場合は、ワンタッチ防音壁と取り付け部材の塩ビジョイナーを使用して、引き戸(ふすま)を自体を塞いでしまうといった方法がおすすめです。

ワンタッチ防音壁

防音パネル・ボード「ワンタッチ防音壁」

防音効果:最大10dB減/高密度+サンドイッチ構造/賃貸OK・オーダーカット・断熱/幅50~5400mm×高さ901~2700mm, 50mm厚/仕上げ:2種類、10色展開/17,600円(税込)~

厚みや重量のある防音ボードを設置することで、音の軽減効果が高くなります。

楽器を演奏する方や、効果の高い防音対策をご希望の方は防音ボードを、引き戸やふすまに嵌め込むようにして設置していただくことをお勧めいたします。

実際に設置をするとこのようになります。

ワンタッチ防音壁

下記動画でも設置方法を紹介しておりますので、よろしければご参考ください。

ふすまを防音壁で塞いで対策してみた【防音実験の結果あり】



※なお、賃貸住宅にお住まいで、壁に直接防音ボードを粘着剤で固定するのに抵抗がある方は、設置前に壁を養生テープやマスキングテープで保護いただくと、撤去の際も綺麗に剥がすことが可能です。

対策別|引き戸の防音対策実験効果を検証

実際に、先ほどご案内した引き戸の防音対策での効果を実験して検証しました。

「レベル1:隙間テープ」を使って対策した場合

隙間テープを設置することで、大きな防音効果を得られるというわけではありません。

ですが、やはり防音対策をする上で隙間をできるだけ少なくするのが大切になります。

その為、なるべく防音対策をするときは隙間を少なくするということを意識して対策をしてみてください。

「レベル2:防音カーテン」を使って対策した場合

防音カーテンを設置することで、12〜18dB(人の話し声の場合)の音を軽減できる見込みがあります。

他のお部屋からの話し声や生活音を対策する場合は、防音カーテンでも軽減が可能かと思われます。

「レベル3:防音ボード」を使って対策した場合

ワンタッチ防音壁を設置した場合、どの程度軽減するのか、「グランドピアノ」「アコースティックギター」「テレビの音」でそれぞれ実験を行ってみました。

結果はこのようになりました。

ワンタッチ防音壁

グランドピアノの音の実験結果

 音の発生源89.1dB

 防音壁設置後(引き戸を閉めた状態)74.6dB→防音壁設置後 63.9dB

 >音の軽減値-10.7dB

アコースティックギターの音の実験結果

 音の発生源88.5dB

 防音壁設置後(引き戸を閉めた状態)63.4dB→防音壁設置後 56.8dB

 >音の軽減値-6.6dB

テレビの音(スピーカーから音を出して計測)の実験結果

 音の発生源80.3dB

 防音壁設置後(引き戸を閉めた状態)60.3dB→防音壁設置後 56.3dB

 >音の軽減値-4.0dB

テレビの音は、楽器などに比べると音量が小さいため、数値では大幅な差が見られにくい部分があります。体感としては全体的にこもって聞こえるように感じました。

上記の実験はYouTubeでも動画にてご紹介しています。







※いずれの方法も、設置されるお部屋の環境や設置状況などによっても防音効果が異なります。

目安としてご参考いただけますと幸いです。

まとめ

いかがでしょうか?

どの方法で対策する場合も、引き戸やふすまの対策におけるポイントは「隙間をしっかりなくす」ことです。まずは手軽に対策できる隙間テープで対策を始めてみましょう!

お部屋で快適にお過ごしいただくためのお役立ていただけますと幸いです。

引き戸の防音対策 よくある質問(FAQ)

Q. 引き戸やスライドドアはなぜ音漏れしやすいのですか?

A.引き戸やスライドドアは構造上、壁に比べて気密性が低く、上下左右に隙間ができやすいため、音が漏れやすいのが特徴です。閉めていても隙間から音が出入りしてしまうことがあります。

Q. 引き戸の防音対策にはどんな方法がありますか?

A. 主な対策は以下の3つです。

  1. 隙間テープで隙間を塞ぐ
  2. 防音カーテンを引き戸の前に設置する
  3. 防音ボード(ワンタッチ防音壁)を引き戸に設置する

Q .隙間テープでの防音効果やメリットはありますか?

A. 隙間テープ単体では大きな防音効果はありませんが、防音対策において隙間を減らすことは非常に重要です。他の対策と組み合わせることで効果が高まります。

Q. 防音ボード(ワンタッチ防音壁)の効果はどれくらいありますか?

A. 防音ボードは厚みや重量があるため高い効果があり、実験では以下のような軽減が確認されています
グランドピアノ:約10.7dB軽減
アコースティックギター:約6.6dB軽減
テレビの音:約4.0dB軽減
体感でも音がこもって聞こえるようになるという結果が出ています。

Q. 賃貸物件でもできる引き戸の防音対策はありますか?

A. はい。隙間テープや防音カーテンは、壁を傷つけずに使えるため賃貸でも対応可能です。防音ボードを設置する際も、突っ張り部材を使用すれば、壁に傷をつけることなく設置できる場合があります。

Q. 引き戸やスライドドアの防音で最も重要なポイントは何ですか?

A. 最も重要なのは「隙間をなくすこと」です。どんな防音対策でも、隙間があると音が漏れる原因になります。まずは隙間テープでしっかりとふさぐところから始めるのが基本です。

Q. 防音相談を受けることはできますか?

A. はい、防音専門のピアリビングでは無料の防音相談を実施しています。お客様の環境や目的に応じた最適な防音対策をご提案いたします

Q. 引き戸の防音対策はどうすればいいですか?

A. まずは隙間テープやドラフトストッパーを貼って隙間からの音の出入りを出来る限り減らしましょう。その後、防ぎたい音や用途によって防音カーテンもしくは窓用ワンタッチ防音ボードなどの防音ボードで引き戸を覆うような防音対策を施すことをおすすめします。

話し声程度であれば防音カーテン、高い効果を求める場合や楽器などの大きな音の場合には防音ボードでの対策がおすすめです。いずれも賃貸住宅でもご使用いただけます。

Q. ドアの隙間テープの貼り方は?

A. 閉めた際に戸が戸枠に当たる「戸当たり」部分に沿って、隙間が均等に埋まるように貼ります。木材の戸枠は湿気や乾燥を繰り返すことで歪みやすく、また、アルミなどその他の素材でも衝撃や地震などで歪みが発生してしまいます。

歪みによる隙間はテープの厚みを変えたり重ねたりすることで対処しましょう。テープを貼ったら、ドアの開閉に干渉しないか確認しましょう。

Q. 引き戸のレールから音が鳴るのはなぜですか?

A. レールと戸車との間に埃や塵などのゴミが詰まっていたり、戸車の摩耗、潤滑不足が原因です。ゴミ詰まりはブラシや楊枝などを使って除去し、こまめな清掃を心がけましょう。

戸車が摩耗してしまっている場合は、転倒につながる恐れがございますので、メーカーへの早めのメンテナンスをお勧めします。潤滑不足には、市販の潤滑剤を使用しましょう。