自分では普通に話しているつもりなのに、「話し声がうるさい」と苦情を言われてしまった…。
オンライン会議やゲームのボイスチャット、家族との何気ないおしゃべりなど、話し声は空気が振動して伝わる音なので完全に消すことはできませんが、音の通り道や反射の仕方を少し工夫するだけで軽減は可能です。
この記事では、話し声の伝わり方の特徴と、賃貸でも試しやすい防音カーテンや間仕切り・防音パネルなどを使った対策方法についてまとめました。
話し声に関するお問い合わせ件数(ピアリビング調べ)
防音専門ピアリビングでは、お客様からのご相談内容を「どんな音で困っているのか」という観点で分類し、件数を集計しています。
その中でも「話し声がうるさい」「声が筒抜けになる」といったお悩みは、もっとも相談件数が多いテーマです。直近9ヵ月では、話し声に関するお問い合わせだけで547件にのぼりました。(自社調べ)

また、「話し声」でお悩みの方のお住まいの建物も、アパート、マンション、一戸建てなどさまざまです。件数に多少の差はありますが、どの建物でも話し声の音漏れに悩んでいる方が多いことがわかります。

件数に若干差はありますが、どの建物でお悩みの方にも幅広くお問い合わせをいただいていることがわかります。
なお、アパートや集合住宅では、男性の低い声や家族の会話が壁を通して伝わりやすく、「近所迷惑になっていないか心配」というご相談も多くいただきます。
話し声の音の伝わり方
まずは、話し声がどのようにして周りに伝わるのかを分かりやすく説明します。
- 喉仏の中の声帯が、息の力で振動して音のもとが作られる
- その音が、口の中や鼻の中などの「声の通り道」で共鳴し、声として外に出る
- 体の外に出た声は、空気を振動させながら全方向に広がっていく
このようにして広がる音は、空気中を伝わるため「空気伝播音」と呼ばれます。
声の大きさや高さは、声帯・体格・息の強さなどによって人それぞれです。一般的に、
- 低い音 …聞き取りにくいが、エネルギーが強く建材を通り抜けやすい
- 高い音 …耳につきやすいが、対策をすると軽減しやすい
という特徴があります。
このため、体格が大きく低い声が出やすい男性の話し声は、アパートやマンションでは特に響きやすく、「男性の声が特にうるさい」と感じられることが多くなります。

話し声に効果的な対策の考え方
話し声のような空気伝播音に対しては、次の2つを組み合わせることが大切です。
- 吸音 …音を吸い込んで熱エネルギーに変える
- 例:吸音材、布地、カーペット、クッションなど
- 遮音 …音を通しにくい、重くて厚いもので跳ね返す
- 例:遮音シート、石こうボード、重い防音パネル など
さらに、空気の通り道がつながっている隙間があると、そこから音が抜けてしまいます。どんなにしっかりした材料を使っても、隙間が空いていると効果は大きく下がってしまいます。
そのため、話し声の対策では次の3点がポイントになります。
- 隙間をできるだけ減らす
- 吸音と遮音の両方を意識する
- 音の発生源(話している人)をなるべく囲う
話し声のような空気伝播音への対策は、音を吸収して熱エネルギーへと変える「吸音」と音を遮断して跳ね返す「遮音」の2つの要素が重要です。
また空気空間が繋がっている状態だとそこから音が漏れてしまい、他の箇所を対策しても大きな効果が得られません。
高い効果をねらうなら、部屋の中にもう一つの部屋を作る「防音室」が理想的です。
ただ、コストやスペースの面で難しい方が多いため、この記事では同じ部屋・同じ建物内で一緒に暮らす人に対する対策を中心に、自宅で取り入れやすい方法をご紹介します。
賃貸OK!話し声に対する具体的な対策方法
話し声の対策の中でも「同じお部屋/建物内で同居する人に対する対策」するケースの場合のピアリビングおすすめの対策を二つご紹介します。
まずは「防音カーテン パーテン ポケット付き」で対策を

吸音材が入れられる パーテンポケット付き
ポケットにお好きな吸音材を入れて、効果をカスタマイズ。
高密度生地/吸音材を入れるポケット付き・断熱・保温・遮光1級/幅110×丈237cm/3色展開/18,480円(税込)~
比較的設置が簡単で話している人をL字のように囲っていただくことで、反響音の軽減や若干の音の減衰が期待できる対策です。
つっぱりポールでカーテンを吊るすように設置するため、上下左右に隙間ができやすく、また布のため大幅な遮音性は期待できません。
ただ音の発生源を囲うことで声が吸音され、若干丸くなったように聞こえる程度の効果は期待できます。
またポケットに吸音材や座布団など音を吸収してくれる素材を入れることでさらに効果も高められます。
ピアリビングで行った実験の動画がありますので参考までにご覧ください。
しっかり囲いたい場合は「HISOHISOブース」がおすすめ

防音ブース「HISOHISOブース」
卓上タイプの防音ブースです。
音の面はもちろん、視覚的にも画面に没頭しやすい半ボックス型。
防音効果:20dB減/高密度+サンドイッチ構造/オーダーカット可/3サイズ展開+オーダーサイズ対応/61,600円(税込)~
HISOHISOブースは、卓上で使う小型の防音ブースです。高密度の吸音材と遮音材を重ねた多層構造により、話し声を約20dB低減します。
設置することで、隣の部屋では内容が分かりにくくなり、室内では反響が減って声がクリアに届きます。配信やオンライン会議、ゲームのボイスチャットなどの気になる音に対して対策できます。
お部屋全体をしっかり防音したいなら「ワンタッチ防音壁」

防音パネル「ワンタッチ防音壁」
防音効果:最大10dB減/高密度+サンドイッチ構造/賃貸OK・オーダーカット・断熱/幅50~5400mm×高さ901~2700mm/50mm厚/2種 10色展開/17,600円(税込)~
こちらもパーテン ポケット付きと同じく、音の発生源をできるだけ囲うように設置することで効果が得られます。
カーテンと比べても重みや厚みがあり、内部には吸音材のグラスウール材と遮音材が入っており約1枚6kgの重さがあります。
つっぱり部材などを使用すれば床から天井まで防音壁を自立させることができ、音を回り込ませることができます。
出入り口をうまく対策することでより音の透過をより軽減させることができます。
ただ出入り口に空気空間の繋がりがある状態のため、別途防音カーテンなどで対策を行う必要があります。
また照明や空調を隔ててしまう点が難点となります。
上記のように間仕切りなどをしなくても、吸音材や家具、本棚、カーペットを設置することでもお部屋内の反響音を少しずつ軽減することはでき、反響が少ないことで話しやすさ、快適さを得ることができます。
話し声でお困りの方はぜひ試してみてください。
よくある質問
A. 声帯の振動で発生した音が、空気中に広がって「空気伝播音」として耳に届きます。空気がつながっている空間や隙間から漏れやすく、特に低音は建材を通り抜けやすい音になります。
A. 「部屋の中に部屋を作る」防音室の設置が最も効果的です。コストやスペースの制限がある場合は、防音カーテンや防音パネルを使った段階的な対策がおすすめです。
A. はい。「防音カーテンパーテン(ポケット付き)」でL字に囲うことで、反響音の軽減と音の減衰が期待できます。吸音材を入れるとさらに効果が高まります。
A. 「ワンタッチ防音壁」が効果的です。グラスウールで遮音材をサンドイッチした3層構造で、吸音と遮音を同時に行い、効率良く音を軽減することができます。
A. はい。本棚、ラグ、カーテンなどを活用して音の反射を抑えることで、室内の反響を軽減し、より快適な音環境を作ることができます。
A. 男性の低音はエネルギーが強く、建材を貫通しやすいため、より防音対策が難しいとされています。より厚く重い素材による遮音が推奨されます。
A. 「突っ張り棒+防音カーテン」や「ワンタッチ防音壁」は工事不要で設置でき、原状回復も可能なため、賃貸でも安心して導入できます。
A. 隙間をなくすことと、吸音と遮音の両立が重要です。軽い素材だけでは不十分なため、「重くて厚い」防音材を使い、音源を囲うような形で施工すると効果が高まります。
A.はい、防音専門のピアリビングでは無料の防音相談を実施しています。お客様の環境や目的に応じた最適な防音対策をご提案いたします。