車の静音化は「防音=音を通さない」「吸音=響きを抑える」「制振=振動を弱める」を使い分けるのがコツです。
ボンネットの裏など“車体に固定して貼る”重い遮音材は、改造に該当する可能性があるため初心者向けではありません。

まずは改造扱いにならない、効果を体感しやすい方法から。フロアは防振マットでロードノイズを吸収、窓やドアはシールテープで風の侵入を抑制、余裕があれば静粛性重視のタイヤを検討してください。トランクやタイヤ収納部に軽量マットを敷くと反響もやわらぎます。
難易度が高いエンジン音・ビビリ音は無理せずプロに相談しましょう。

Q.

車に遮音シートや鉛シートを設置して、ロードノイズやボンネットの音を防音することは出来るでしょうか?

また、車内の会話が聞こえづらかったり、高速で走っていると車内からガタガタ音が聞こえるんですが、こういった音も防音対策出来るのでしょうか?

A.

ご質問ありがとうございます。防音専門ピアリビングのキャサリンです!

車に防音マットや遮音シートを設置したいというお問い合わせは度々頂くのですが、車のDIYによる防音対策は車の改造扱いになるため、その改造度合いによっては道路運送車両法違反になってしまう場合がございます。

改造車は、実は、見た目が派手に改造されたものや、大幅に改造されているものだけを指すのではなく、一部でも意図的な改造箇所があれば、定義上は改造車になってしまうんです。

とはいえ、改造車だから、全てが違反になってしまうということはございません。保安基準の範囲内での改造であれば、いくら改造していても違法改造車とはなりません。
※保安基準とは、車の安全性を確保するための基準のことを言います。

このページでは、違法改造にはならない範囲での、車走行時のノイズ対策についてご紹介いたします。

車内で気になる音は4つ(エンジン/ロードノイズ/風切り音/ビビリ)

実際に車に乗っている時に気になる騒音とは、一体どんな音でしょうか?

車を運転している時に気になるノイズとしては、大きく4種類の音があります。
それは、「エンジン音」「ロードノイズ」「風切り音」「ビビリ音」の4種類です。

  • 車を運転している時に気になるノイズ
    • エンジン音…エンジンをかけた時の音や、エンジンルームの中で反響する音。
    • ロードノイズ…路面とタイヤの摩擦で生じる振動や衝撃音。
    • 風切り音…走行中に生じる音で、主に窓やドアの隙間から入ってくる音。
    • ビビリ音…路面から伝わる振動やスピーカーの共鳴、パーツ同士の擦れによる音。

高級車の場合、車内にもしっかり防音材を使っているので、上記に挙げたような騒音はあまり気になることがありません。
しかし、コストパフォーマンスに優れた軽自動車や小型車などは、上記のような騒音が気になる場合がございます。

まず“どの音が一番つらいか”を確認しましょう

静音化は「原因の切り分け」から始めると失敗しません。次の順にチェックして、つらい音を一つに絞り込みましょう。

いつ鳴るかを記録する

  • 停車中に鳴る → エンジン音やビビリの可能性が高い
  • 走り出すと鳴る → ロードノイズや風切り音の可能性
  • 雨天や強風で悪化 → 風切り音の可能性が上がる

どの条件で強まるかを比べる

  • 速度依存
    • 40km/h前後で「コトコト」→ ビビリ寄り
    • 60〜80km/hで「ゴー」→ ロードノイズ寄り
    • 100km/h付近で「ヒュー」→ 風切り音寄り
  • 路面依存:粗い舗装で大きくなるならロードノイズの影響が大
  • 操作依存:窓の開閉、エアコンの入切、ワイパー作動で変化するか

音の位置を探す

  • 前方からならエンジン周辺やドアミラー周り
  • 足元からならフロアの振動
  • 後方からならトランクやタイヤ収納部の共鳴

座席を変えて聞くと位置が絞れます。

かんたんA/Bテスト

    安全な場所で停止して実施します。

    • トランク底に毛布やマットを一時的に敷く。音が和らげば共鳴が疑われます。
    • ドアのゴム周りを軽く押さえて密着を確かめる。変化があれば隙間が要因の目安。
    • 荷物やスペアタイヤを固定し直して試走。ビビリが消えれば固定の問題です。

    参考)メモの取り方(短時間でOK)

    「時刻/速度/路面/聞こえ方/場所」を一行で残します。(例:08:15、高速100、乾いた舗装、ヒュー、運転席側ドア周り。)

    スマホの簡易騒音計を使うと、同じ道での再現テストに役立ちます。

      DIYでできること・できないこと

      正直なところ、上記のような走行中の騒音に対しては、DIYでの防音対策だと大きな防音効果は期待できません。

      お客様によっては、「車に鉛シートを設置することで、ロードノイズやエンジン音は軽減できるか?」といったお問い合わせを頂くことも多いのですが、鉛シートを車のボンネットや内側に簡単に設置するだけでは、ほとんど音を軽減することはできません

      鉛を使用することで逆に音が響いてしまうことがあります。

      また、鉛シートは重量があり扱いが難しく、鉛の扱いに詳しくない初心者が設置することで、安全上に問題が生じたり、違反改造扱いになってしまう場合がございます。

      実際に違法扱いになってしまう改造とは?

      車の改造において、以下のような改造は違法扱いになってしまうため、注意しましょう。

      ▼​​車の改造における禁止事項

      ・サイズと重量が規定範囲外になってしまう場合

      ・ライトの色を変更した場合

      ・タイヤやホイールがはみ出してしまった場合

      ・窓ガラスに着色フィルムを設置した場合

      ・マフラーや触媒装置を外した場合

      ・危険なパーツを取り付けた場合

      ・ミュージックホーンや特殊なクラクション装置を取り付けた場合

      違反改造扱いにならない車の防音対策3選

      最後に、実際にDIYで対策しても違反改造扱いにならない対策についてご紹介いたします!

      本当に簡易的な対策になってしまうため、大きな防音効果は期待しづらいですが、少しでも何か対策したい!という場合には、下記でご紹介するような対策をご検討ください。

      ロードノイズ対策:フロアとトランクに防音マット

      ロードノイズ対策として、防音シートや防音マットで抑える方法があります。

      フロアに敷くマットを、防音・防振のあるマットに変えることで、マットの厚みによりロードノイズを吸収するだけでなく、同時に足の疲れも軽減することができます。
      振動が響きにくくまた吸音効果もあるので中での反響が抑えられる効果もあります。

      静床ライト

      防音タイルカーペット「静床ライト」

      防音効果:ΔLL-4 / 特殊な3重構造 / 保温・断熱・防ダニ・防炎機能・カット可 / 50cm×50cm / 12色展開 / 2,442円(税込)~

      防音タイルカーペット「静床プレミア」

      防音効果:ΔLL-4 / 特殊な3重構造 / 保温・断熱・防ダニ・消臭・防炎機能・カット可 / 50cm×50cm / 3色展開 / 3,850円(税込)~

      当店で取り扱っている「足音マット」は、安心安全なポリエステル素材の防音マットです。

      下敷き用防音マット「足音マット」

      防音効果:ΔLL-3 / 特殊な3層構造 / カット可 / 50×100cm・幅100cmロール / 3,630円(税込)~

      防振効果の高い防音マットですが、軽量なので扱いやすく、防音タイルカーペットなどと組み合わせて設置することで、発生した振動をしっかり軽減することができます。
      この足音マットの特徴は吸音層で遮音層がサンドされているのでこの足音マット単体でも振動を抑える効果があります。

      トランクルームやスペアタイヤの収納スペースもロードノイズを反響させる原因になる場合があるため、気になる方は収納スペースにも防音マットを設置してみましょう。

      足音マットなら、軽量で、丸めて収納することも出来るので取り外しも簡単です。

      足音マット

      予算があればタイヤを「コンフォートタイヤ」などに変えることで、ロードノイズの発生自体を抑えることができます。

      ただし、デメリットとして、普通のタイヤに比べると高額で、寿命が短く走行性能が落ちるといった点がございます。

      風切り音対策:ドア・窓まわりの対策を

      風切り音はドア周りの隙間やボンネットの開口部で発生しています。

      これらは、専用のテープやフィンが販売されており、ミラーやピラー、開口部の縁や隙間に貼るだけで簡単に対策できます。

      ドア周りやボンネットに設置する場合、開閉に問題がないかは必ず確認するようにしましょう。

      エンジン音・ビビリ音はプロ領域

      エンジン音やビビリ音の対策は、正直なところDIYで対策を行うのは難しいです。

      ボンネットの裏や、車のパーツ内部に対策を行う必要があるため、車の構造や取り扱いに詳しくない場合には、DIYで対策を行うことは推奨しておりません。
      車の扉の内部にグラスウールを使用される方もおられますが難易度は高いですね。

      車の防音対策に関するよくある質問(FAQ)

      Q. 車に防音材を入れると改造車扱いになりますか?

      A. 一部でも構造に意図的な変更を加えれば改造車に該当することがあります。ただし、道路運送車両法の保安基準内であれば違法ではありません。安全基準内の方法を選びましょう。

      Q. DIYでどこまで効果が出る?

      A. DIYでの対策には限界があります。走行振動と隙間対策は体感しやすい一方、エンジン音やビビリはプロ領域です。

      Q. DIYでロードノイズ対策を行うにはどのような方法がありますか?

      A. 車のフロアに「足音マット」や「静床プレミア」などの防音マットを敷くことで、ロードノイズを軽減できます。トランクやタイヤ収納スペースへの設置も効果的です。

      Q. トランクやタイヤ収納スペースにも防音材を入れると効果はありますか?

      A. はい。これらの空間は反響音の発生源となるため、防音マットを敷くことで車内全体の静音性向上につながります。

      Q. コンフォートタイヤに変えると静音性は向上しますか?

      A. コンフォートタイヤはロードノイズの発生を抑える効果があります。ただし価格が高く、耐久性や走行性能にはデメリットもあります。

      Q. DIYで風切り音対策を行うにはどうすればいいですか?

      A. 窓やドアの隙間に専用のテープやフィンを貼ることで軽減できます。貼付位置を誤るとドアの開閉に支障が出ることがあるため注意が必要です。開閉や安全性の確認を忘れずに。

      Q.防音相談を受けることはできますか?

      A.はい、防音専門のピアリビングでは無料の防音相談を実施しています。お客様の環境や目的に応じた最適な防音対策をご提案いたします。

      まとめ

      車に改造を加えて、防音対策を行うことを「デットニング」と言うこともあります。

      このページでご紹介したように、車に本格的なノイズ対策を行うことは難しいですが、軽量で安全素材の防音マットなら、取り付け取り外しも簡単なので、必要な時だけ設置することもできます。

      まずは、ご自身が気になるノイズの種類を把握して、対策が難しい場合には、プロの業者にお願いすることも視野に入れていただくことをお勧めいたします。

      最後までお読みいただきありがとうございました!

      気になる方はお気軽にご相談ください

      「自分の家にはどの防音対策が合うのかな?」とお悩みの方も、どうぞお気軽にご相談ください。

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