ふすまの防音って、案外難しいんです。
たくさんお問い合わせを頂いている「ふすまの防音対策」なんですが、実は結構対策が難しい場所なんです…(*_*;
その理由として…、
- ふすまは通常のドアと比べても気密性が低く、隙間が出来やすい
- ふすま自体の防音性能が低い
- ふすま自体を防ごうとしても、出入りに必要なため防ぐことができない
といった理由が挙げられます。

また、賃貸住宅の場合は安易にご自宅に傷をつけられないので、対策はより困難になります。
そのため、今回は当店がご案内できるふすまの防音対策について、段階別にご紹介していきたいと思います。
レベル別!ふすまの防音対策
(Level,1)すきま用テープで隙間を塞ぐ
「ふすまの対策をしたいけど、大掛かりな施工はしたくない」
「とりあえず簡単に対策したい」
そんなお客様におすすめしたいのが、
「エプトシーラー」というすきま用テープです!

この「エプトシーラー」という商品は、汎用ゴムの中で最も耐久性に優れたEPDM発泡体に粘着シートをつけた高機能シール材で、ドアや窓の隙間に取り付けることで気密性を高めてくれる商品です。
残念ながら当店では現在お取り扱いがございませんが、インターネットでも販売されているのでぜひチェックしてみてくださいね(^o^)/
(Level,2)開閉しない場合に吸音材を張り付ける
もし、音を出しているのがお客様のお部屋側であれば、ふすまに吸音材を取り付けて頂くことで、音漏れを軽減することが出来ます。
吸音材を貼りつけることで、ドアの開閉が難しくなりますので、あまり使用されないふすまの対策にオススメです。
ただし、あくまでも簡易的な対策ですので、ふすまの反対側から聞こえる音やお客様の音を完全に遮断することは難しいです。
当店イチオシの吸音材は「 ロックウールボード」!

ホームセンターなどでは中々販売されていない高密度ロックウールは、音の遮音率が高いため防音対策に有効な商品です。
この吸音材をふすまに貼り合わせることで、ふすま自体の防音性能を高めることが出来ます。
音が発生している発生源側に取り付けて頂くのがオススメ!
なお、取り付ける場合はクロスで仕上げられている面に「超強力両面ボンドテープ」を使用して頂くか、ワッシャー付きのビスなどで設置してください(^o^)
「塩ビジョイナー」という専用の取り付け部材もご使用いただけます!
(Level,3)ふすまの手前に防音カーテンを取り付ける
この場合、ふすまの手前に「つっぱり棒」や「カーテンレール」を取り付ける必要がございます。
正直なところ、カーテンだけでは軽減できる音は目安として1割~2割程度です。
ただ、ある程度の雑音や話し声程度であれば、10db程度は軽減することが可能です。
吸音材などを取り付けたり、ふすまを塞いでしまうのは難しいという場合はこういった対策方法もございます。

(Level,4)ふすまを完全にふさいでしまう
ふすまを完全にふさいでしまってもいい場合、当店の「ワンタッチ防音壁」と「勘合型塩ビジョイナー」で比較的簡単に施工することが出来ます!
「ワンタッチ防音壁」

ご予算は、2面のふすまタイプで約15万円ほどになります。
取り付け方法といたしましては、以下の通りです。
- まず、上部・下部・左端に端部用の勘合型ジョイナー(ベース部分のみ)を両面テープで取り付けます。
- 次に、左端からワンタッチ防音壁を一枚はめ込みます。
- 連結用の勘合型ジョイナー(ベース部分のみ)をワンタッチ防音壁の横に取り付けてください。
- ワンタッチ防音壁をもう一枚はめ込みます。
- 端部用のジョイナーを右端にはめ込んで、すべてのジョイナーの(カバー部分)を取り付けたら終了です。


難しく感じそうですが、ジョイナーの取り付け方に関しては、ご希望の場合は詳しくご説明させていただきますのでご安心いただければ幸いです。
この対策方法で対策を行っていただく場合、ふすまの木枠の奥行きによっては、ふすま本体を取り付けたまま防音壁を設置することも可能です!
ご希望の場合は、ふすまのお写真と簡単な図面・サイズを記載したものをメールでご連絡いただければ幸いです(^^♪
(Level,5)ふすまを防音仕様にするか、防音のドアに替える
ふすまの防音対策最終手段です。
当店でも、ふすま仕様の防音ドアを製作することは可能ですが、設置する際にビス止めが必要になるのと、中々施工になれていない方が取り付ける場合、隙間が出来やすくなってしまいます。
そのため、本当にふすま自体を防音仕様に替えられたい場合は、まずはお近くの工務店や施工会社などにご相談いただくことをおすすめいたします。
例えば、施工のみ外部でご依頼して頂き、当店で商品をご案内させていただいたり、施工のアドバイスなどを行うことは可能です!
ふすまの間仕切りがうるさくてうるさくてどうしようもない!という人は、本格的にこういった対策をご検討いただいてもよろしいかと思われます。
ふすまの防音対策 まとめ
さて、レベル別にふすまの防音対策についてご案内してきましたが、みなさまいかがでしょうか?
ふすまの間仕切り間での騒音や音の問題に悩んでいる方は、まずLevel,1の対策方法を試したうえで、ご自身にあった対策方法をご検討ください!
よくある質問
Q. 賃貸住宅でもふすまの防音対策はできますか?
A. はい。賃貸住宅でふすまの防音対策を行う際は、隙間テープを使用した方法、ふすまに吸音材を貼る方法、ふすまの前に防音カーテンを吊るす方法が考えられます。
Q. ロックウールボードはふすまに使えますか?
A.ふすまにロックウールボードを貼ることは可能です。ピアリビングで販売している商品は1枚あたり1〜2kg(910mm×605mm)と重さがあるため、吸音効果と同時に遮音効果が多少得られます。その一方で落下の危険性もありますので、十分注意いただく必要があります。
Q. ワンタッチ防音壁の設置費用は?
A. 2枚タイプのふすまサイズで約15万円程度が目安です。DIYで設置可能な商品もあり、手順もPDF内に丁寧に解説されています。
Q. 襖を防音にするにはどうすればいいですか?
A. 襖を防音する際は、襖の隙間からの音漏れを防ぐ方法、襖自体の防音性能を高める方法の2つのアプローチがあります。襖自体の防音性能を高める際は、襖に吸音材(密度が高いものであれば多少遮音性を高めてくれます)を貼る、襖に防音カーテンを吊るす方法があります。
Q. 遮音シートだけで防音効果は出ますか?
A. 遮音シートは単体で使用するものではなく、壁のすき間やつなぎ目をふさぐことで音漏れを防ぐために使います。特に、石こうボード(板材)を重ね貼りする際に使われます。尚、遮音シートを表面に使うと音が反射してしまうため、「吸音材」と組み合わせることで、音を抑えつつ快適な防音効果が得られます。
Q. ふすまの防音対策には何がありますか?
A. レベル別の対策として以下が紹介されています:
- Level1:隙間用テープで気密性を高める
- Level2:ふすまに吸音材を貼る(非開閉時)
- Level3:防音カーテンを前に設置
- Level4:ワンタッチ防音壁で完全にふさぐ
- Level5:防音ふすま/防音ドアへの交換
Q. ふすまの音はどうやって軽減できますか?
A. ふすまを開閉する音は、ふすまと枠の間にクッション材を貼ることで大きく軽減することができます。
Q. 和室を防音にしたいのですが、どうすればいいですか?
A. どのような音を対策したいかによって異なりますが、一般的に和室はふすまから音が漏れるケースは多いです。その場合、「ふすまの隙間を防ぐ」「ふすま自体の遮音性を高める」の2つのアプローチから始めることをおすすめします。
Q. 家で1番防音なのは何ですか?
A. 一般に、構造材の質量が大きいほど防音性能は高くなります。(木造<鉄骨造<RC造≒SRC造)
ただし、「壁」「床」「窓」「ドア」などは、様々な工夫により遮音性が高められている場合があり、一般的に鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造は防音性が高いとされがちですが、木造だからと言って防音性が低いとも限りません。
Q. 遮音シートは逆効果ですか?
A. 遮音シート(防音シート)は、正しく使えば防音効果を高めるための役に立ちます。ただし、遮音シートをそのまま表面に貼ると、音が跳ね返ってしまい、かえって音が響いてしまうことがあります。そこで、「吸音材」と一緒に使うのがポイントです。
吸音材は音を吸収する素材なので、お部屋内で響きすぎる音を抑え、快適な防音環境になります。
Q. 和室でのうるさい音を防ぐ方法はありますか?
A. どのような音を防ぎたいかによって異なりますが、和室でのうるさい音を防ぎたい場合、最も効果的なのは「音源自体を囲う」方法です。もしそちらが難しい場合は、一般的に和室はふすまから音漏れするケースが多いので、優先的にふすまの防音対策を行うことをおすすめします。