みなさんこんにちは!防音専門ピアリビングの井上です。

 先日「子供の足音対策をしたい」というお客様から頂いたお電話で、印象に残った言葉がありました。

「階下から苦情をもらったわけではないが、子供が家にいる時間も多く、自分たちの音が響いていると気の毒だから、階下の人のために何か対策を行いたい。」

ご相談を受けながら、階下の方のことを考えて防音対策したい!というお気持ちが伝わってきました…。

確かに、子供が家にいる時間は長いですし、在宅ワークで家にいる時間が増えた方もかなり多いですよね。

もちろん、苦情を言われてしまって、子供の足音をどうにかしたいというお言葉も多くいただきます。

そこで、こちらの記事では、子供の足音対策についてご紹介したいと思います。

目次

▼そもそも「床衝撃音」とは?

物を落とした時の振動や、足音のような床に直接伝わる振動・衝撃音のことを、「床衝撃音」という言葉で表す場合があります。

「床衝撃音」には主に二つの種類があり、一つが「軽量床衝撃音」、もう一つが「重量床衝撃音」です。

  • 「軽量衝撃音」とは … 軽量衝撃音には、主に物を落とした時の音や、通常時の足音、小さい子供が小走りするときの衝撃音なども含まれます。軽量衝撃音を計測する際には、タッピングマシンという機械を使用して計測します。計測時の防音等級を表す単位は(ΔLLやLL値)などと言います。
  • 「重量衝撃音」とは … 重量衝撃音は、例えば大人が転倒した時のドスンという音や、子供が思いっきり走り回った時、ジャンプした時などの衝撃音を表します。計測時には、7kgほどのあるタイヤやボールを約1mほどの高さから落として計測します。計測時の防音等級を表す単位は(ΔLHやLH値)などと言います。

これらの音は直接床(固体)に伝わって、床から柱へ、柱を伝って建物全体に響きます。

▽下記動画では、実際にマンションの上下階を使用して、「床衝撃音」を計測した時の実験動画になります。よろしければご参考ください。


▼子供の足音って、どれくらいうるさいの?

子供の足音といっても、響き方や振動の大きさは、子供の年齢や体重などによって様々です。

一般的には、子供の足音は「重量床衝撃音」として分類される場合が多いのですが、「重量床衝撃音」の計測方法はかなりの振動が伴うこともあり、実際の足音の振動はそこまで大きくないため、「軽量床衝撃音」の数値を目安にしていただいたとしても、十分参考になります。

例えば、生まれたばかりの子供や、まだ小さい子供がそれほど激しく走ったり飛び跳ねたりしない場合は、厚手の「ジョイントマット」や「低反発ラグ」などでも十分音を軽減できる場合がございます。

ただ、ご自宅が木造建築だったり、床が軋みやすいといった場合などには、小さな子供の足音でも、下の階や両隣のお部屋などに振動が響きやすくなりますので、まずはご自宅の環境を把握していただくことが大切です。

▼子供の足音におすすめの防音対策とは?

とはいえ、出来れば子供には、足音を気にせずのびのび遊んで欲しいですよね。

ある程度大人になれば、足音を意識して気を付けて歩く事はできるけれど、子供にとっては難しいし、ストレスもかかると思います。
何度も注意するのは親も大変ですし、子供がかわいそうになってきますよね…。

そのためにも、特に足音の振動が直接発生しやすい床には、出来る限り防音対策を行なっていただくことをお勧めいたします。

(レベル1)とりあえず安価で簡単に対策をしておきたい場合

「フローリングだと心許ないし、とはいえまだまだ子供が小さくて、家も鉄筋コンクリートだし、そこまで振動は気にならない…」

そんな場合には、出来るだけ厚手でクッション性のある「低反発ラグ」や「ジョイントマット」「プレイマット」「防音置き畳」などを、お子様の活動範囲に設置していただくことをお勧めします。

折りたためる防音畳
↑折りたためる、防音仕様の置き畳です。国産い草を使用しているので湿気にくく、ΔLL-6の最高レベルの防音効果も期待できます。

(レベル2)防音効果のあるカーペット1枚で対策したい場合

ジョイントマットや通常の低反発ラグでは心許なく、防音効果のあるカーペットやマット1枚で対策したい方には、「快適防音マット ウッド」「サンコーラス」がおすすめです。

↑一枚で軽量床衝撃音の遮音等級最大レベルの「ΔLL-6」を誇る、木目調の防音クッションフロアマットです。
防音ラグ・カーペット「サンコーラス」

(レベル3)お部屋全面に敷き詰めたい場合や、子供の活動範囲に合わせてしっかりと振動対策を行いたい場合

レベル2でご紹介したような、サイズの決まったカーペットやマットではなく、子供の活動範囲に合わせて自由に防音対策を行いたい場合や、お部屋全面にしっかりと防音対策を行いたい場合には、「防音タイルカーペット」と「足音マット」の組み合わせがお勧めです!

静床ライト
静床プレミア
防音マット・シート「足音マット」
↑お持ちのカーペットの下に重ねて敷くだけでも、足音や機械の振動を軽減することが出来る防音マットです。

(レベル4)鈍い振動や楽器の振動音・空気伝搬音も軽減したい場合

足音マットや防音カーペットを重ねても物足りない場合や、空気中に伝わる音、鈍い重量感のある振動なども軽減したい場合には、上記でご紹介した「防音カーペット」や「足音マット」の間に「P防振マット」を重ねていただくことをお勧めいたします

(レベル5)絶対に足音などの振動を伝えたくない場合

「近隣から苦情を言われてしまい、何がなんでも振動を伝えたくない!」

そんな方には、体育の授業や体育館で使われているような「プレイングマット」や「マットレス」などを使用していただくことお勧めいたします。

「プレイングマット」や「マットレス」は、基本的に厚みが10cm以上あるため、ある程度飛び跳ねたり、走ったりしても、発生した振動や衝撃をほとんど吸収することができます。

もちろん、全ての振動を完全になくす、防ぐということは難しいです。とにかく振動を近隣に伝えたくないという場合は、厚みとクッション性を重ねていただくことをお勧めいたします。

参考 Tweet:https://twitter.com/myumyumoon/status/1332491484289851393?ref_src=twsrc%5Etfw&fbclid=IwAR3hmjRZAz0RWcTc4WAy_QI33TmAuIob_d1g39X6JNRZg39RkaIdP_3O0gU

▼まとめ

足音などの振動対策をする場合、カーペットやマットの厚みは1cm以上あるため、小さなお子様がいらっしゃる場合、段差で躓かないように注意が必要です。

プレイングマットなどで対策する場合は、より大きな段差ができてしまいます。

また、厚みが出れば出るほど歩きにくく感じる場合や、沈み込みにより家具の安定性が損なわれる可能性があります。
なるべくお子様が遊ぶスペースだけに配置したり、見切り材や段差解消材を使用したり、家具を避けて配置するのが良いと思います。

今回は子供の足音対策をテーマにお伝えしました。

足音などの振動でお悩みの方はたくさんいらっしゃると思いますが、少しでも皆様のご参考になれば幸いです。