「RC造のマンションなのにピアノの音がうるさいと苦情が来た…」
「周りに気を遣いすぎて思うように練習できない…」
ピアノを楽しみたい気持ちと、周囲への配慮の狭間で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
そこで検討したいのが防音工事や防音リフォームですが、「結局いくらくらい費用がかかるの?」といった不安がつきまといます。
本記事では、壁・窓・床・天井・ドアなど各部位ごとにRC造で効果が出やすい工法と費用相場をまとめてご紹介します。さらに、コストを抑えつつ遮音性能を段階的に対策できるDIYアイデアまでご紹介します。
▼今回のお悩み
物件:RC造・分譲マンション
どこに対して:全て(隣室・上階・階下・屋外)
音の種類:ピアノの演奏音・打鍵音・ペダル音
いつ:休日や夜間
音の大きさ:100dB
ピアノの音はなぜ響くの?ピアノの音の特性と防音の必要性
ピアノは、広い周波数帯域を持ち、音量も60〜110dBに達することがあります。特に低音域は防音が難しく、しっかりとした対策が求められます。
ピアノの音域と音量
グランドピアノやアップライトピアノは、88鍵盤にわたる幅広い音域(約30Hz〜4,000Hz超)を持ちます。グランドピアノは特に音の広がりが豊かで、最大で110dB近くになることも。こうした豊かな音色が魅力の一方で、壁や床を通じて隣や上下の部屋に音が伝わりやすいため、しっかりとした防音対策が必要になります。
防音が必要な理由
・ピアノの音色は様々な箇所から漏れる
住宅街の昼間の環境基準はおおむね55dB前後とされています。(※参照:環境省 騒音に係る環境基準)
例えば、RC造のマンションで100dBほどの音が出ていた場合、隣室では壁越しに約50dB、窓を通して屋外に約70dB近い音が届いてしまいます。夜間まで練習する場合は、しっかり防音対策をしないとトラブルに発展する可能性があります。
・打鍵音、ペダル音などの固体音は広い範囲に伝わる

ピアノの打鍵音、ペダル音などの低音域(50〜250 Hz)は波長が長く、構造体そのものを揺らして伝わる「固体伝搬音」になります。壁や床を厚くしても、固定脚から床スラブに直接エネルギーが入り込み、広い範囲へ響きます。
・防音対策と同時に吸音対策で音響環境を最適化できる
遮音と同時に吸音を適切に行うと、部屋の残響が整い、音の輪郭がはっきりとして、格段に聞き取りやすくなります。防音は、単に「周囲を静かにする」だけではありません。音がクリアに聞こえる環境は、演奏の精度を高めることにもつながります。
さらに、外部の音を遮断することで不要な騒音から耳を守り、適切に吸音された環境で残響を調節することで、耳に優しい音響環境が生まれます。これにより、長時間練習しても耳が疲れにくいメリットがあります。
あなたのマンションに最適な選択肢はどれ?
ピアノ防音対策には大きく分けて ①室内にユニット型防音室を設置する方法②部屋全体を防音工事する方法③壁・窓・床など弱点だけを部分対策する方法があります。

ユニット型防音室は、専門業者がパネルを組み立てるだけで半日ほどで完成し、撤去も容易なので将来の転居や売却時に原状回復しやすいのが大きな利点です。
ただ、1〜3畳前後の箱が居室を占有するため、お部屋が狭くなったり、搬入経路やマンションの重量制限等の確認、室内の換気や暑さ対策が別途必要になる点が弱点です。
また、防音効果の面では高音域の音空気を伝わる中〜高音(500 Hz 以上)の音はパネル質量と気密だけで−30〜35 dB程度の効果を得ることができますが、低音域の音や打鍵音やペダル音などの固体伝播音には期待しているほどの効果が得られない可能性があります。
そのため、低音や打鍵音やペダル音などの固体伝播音まで、しっかり抑えたい場合は、②の部屋全体を防音工事する方法がおすすめです。
ピアノ防音工事の基本費用とは?2025年最新情報
防音工事を検討する際は、「どの部分に対策を施すか」「どの程度の性能を求めるか」が重要なポイントになります。音の出入りは壁や窓だけでなく、床・天井・ドアといったさまざまな場所から起こるため、それぞれの特徴に合った対策が必要です。この章では、各部位ごとの防音方法と施工費用の相場、加えて注意点までを詳しく解説します。初めての防音工事でも、費用の目安を知ることで、無理のない計画が立てられるようになります。
壁の防音工事
建物の構造によって壁の防音性能は大きく異なります。一般的に、防音性能は「D値(遮音等級)」で表され、鉄筋コンクリート造(RC造)はD-50以上とされ、高層マンションなどのRC造は遮音性に優れています。
しかしRC造であっても、壁の工法によっては防音性が低い建物もあるので、注意が必要です。
▼建物の構造別の防音効果についての参考記事
6畳の部屋の4面全てを防音するときの代表的な工法と費用目安
壁の防音工事を行う際、4面全てが理想です。ただ、できるだけ予算を抑えたい場合は、まずはお隣と面している壁一面のみを工事する方法も考えられます。
工法タイプ | 施工イメージ・遮音レベル | 概算費用・特徴 |
①既存壁の前に防音壁を設置 | 既存壁の前に下地材を設置→グラスウール等の吸音材を充填→密度が高い石膏ボードを2重貼り+気密処理 15〜20dB減 | 〜160万円 工期:2〜3日程度 本格的な防音工事よりも手軽に、コストを抑えることができる工法。部屋が狭くなる。 |
②貼るだけ防音パネル/ワンタッチ防音壁 | 既存壁の前に防音パネルを設置する/つっぱりポール・塩ビジョイナー・両面テープ止め。 10dB前後 | 100万円前後 工期:15〜30分 壁を傷つけずに対策できる方法。①②に比べると、防音性は落ちる。 |
※①および②の防音効果は、あくまで目安となります。効果は、もともとの壁の防音性能に大きく左右されます。
選び方のヒント

最もスタンダードな対策方法が①の施工方法です。既存の壁と比べて、15〜20dB程度の音を軽減することが可能です。
ただし、既存の壁の上から施工するため、お部屋が若干狭くなります。
「部屋を狭くしたくない」という場合は、既存の壁を開口してから施工する方法もございます。
※外壁やコンクリート壁など、開口できない構造の場合は施工が難しいため、事前の確認が必要です。

壁を傷つけずに自分で防音したい」という方には②の方法がおすすめです。
ワンタッチ防音壁は、中〜高音域において10dB前後の軽減が期待できます。ただし、200Hz以下の低音域には効果が得られにくいため、ご注意ください。
※換気口などの開口部がある場合、1か所で最大10dBの音漏れが発生することもあります。その場合は、壁の工事に加えて、防音換気口への交換や防音スリーブでの塞ぎ処理を行うことで、性能のロスを抑えることが可能です。

防音パネル「ワンタッチ防音壁」
防音効果:最大10dB減/高密度+サンドイッチ構造/賃貸OK・オーダーカット・断熱/幅50~5400mm×高さ901~2700mm, 50mm厚/表面クロス2種10色展開/17,600円(税込)~
窓の防音工事
ピアノの音は空気伝搬音となり広い範囲に伝わります。外壁よりガラスとサッシのすき間が “弱点”になりがちです。500 Hz 付近の主音域は窓で−15 dBほどしか落ちず、一度外に出れば近隣のリビングやベランダへダイレクトに届きます。そのため、“音の出口”を塞ぐこと”が、重要です。
掃き出し窓(高さ約2 m×幅1.7〜1.8 mを想定)の主な防音工事と費用
工法タイプ | 施工イメージ・遮音レベル | 概算費用特徴 |
①高性能な防音内窓 | 既存サッシの室内側に “樹脂フレーム+防音合わせガラス12 mm(1枚6mm)” を組み込んだ内窓 性能:T-4=-35~40 dB | 約30〜40 万円 気密ゴムが厚く、RCマンションでもカタログ値に近い性能が出やすい。工期は半日ほど。 |
②防音内窓 | 既存アルミサッシの内側に “樹脂フレーム+防音合わせガラス6mm(1枚3mm)” を組み込んだ内窓 性能:T-3=-30~35 dB | 約25~30万円 ①よりガラスの厚みが薄いが、複層ガラスより効果が高い。工期は半日ほど。 |
③工事不要の「窓用ワンタッチ防音ボード」 | 高密度な吸音材と遮音材の多層構造防音パネル 。厚み58mmのパネルを窓枠に “はめ込むだけ” 性能:最大 -20 dB | 約20万円(サイズオーダー) 即日脱着可。現状回復可能。 |
選び方のヒント

窓を防音する場合、防音合わせガラスの内窓がおすすめです。その中でも①のような厚みが12mmある防音合わせガラス(6mm+防音特殊中間膜+6mm)を選ぶと、間の中間膜が振動を吸収し、500 Hz帯でも-30〜40 dBを狙えます。既存サッシを残せるため外観を変えず断熱・結露対策も同時に叶うのが内窓の強みです。

同じ内窓でも単板ガラスや画像のような3 mmガラス+空気層+3 mmガラスの複層ガラスでは、同じ厚みのガラス板が特定の周波数でそれぞれ振動し、かつ空気層がバネのように作用することで2枚のガラスが共振していまいます。そのため、中低音域の音に対して、十分な効果を得られない可能性があります。
一方、「演奏時だけ音を軽減できればいい」「工事まで大掛かりにしたくない」という場合はピアリビングの『窓用ワンタッチ防音ボード』をはめ込む方法がおすすめです。−15〜20 dBの効果が期待できます。

防音ボード「窓用ワンタッチ防音ボード」
防音効果:最大-20dB/高気密+サンドイッチ構造/賃貸OK/幅300~3655mm×高さ300~2100mm,58mm厚/10色展開/22,000円(税込)~
「先進的窓リノベ2025 補助金」を活用すると家計負担を最大50 %カット
断熱+防音を同時に強化できる窓交換は、結露ストレス・光熱費・近隣クレームをまとめて解決することができます。補助金を活用すれば、効果とコストの両方を最適化できるかもしれません。
既存住宅の窓を省エネ効果の高い断熱窓・ドアに改修する費用に対して、補助金がもらえる制度です。補助対象工事の内容に応じて、一戸当たり、5万円から最大200万円までの補助金が交付されます。申請は登録「窓リノベ事業者」が代行するため、見積もり時に製品型番が補助対象に登録済みか要チェック。
先進的窓リノベ2025補助金のポイント
チェック項目 | 結論・条件 |
個人宅は対象? | 戸建・マンションに住む一般の住宅所有者・賃借人まで幅広く対象。 |
誰が申請する? | 施主本人の「直接申請」は不可。登録された“窓リノベ事業者”が代理申請し、補助金を施主へ還元。 |
住まいの条件 | ・建築後1年以上経過、または人が居住した既存住宅。・店舗専用や事務所用途は除外。 |
工事の条件 | ①登録製品(内窓・外窓交換・ガラス交換等)を使用②補助額5 万円以上になる工事規模③事業者と請負契約を結ぶこと |
補助額 | 窓性能 × サイズで計算し、戸建ては最大200 万円/戸。 |
対象期間 | 事業告示日〜予算上限到達まで。契約・着工・完了・申請すべてを“補助対象期間内”に行う必要あり。 |
主な不適合ケース | ・登録のない施工業者との契約・補助額が5 万円未満・住宅以外に使っている部屋の窓 など |
一般のご家庭でも条件を満たせばフル活用できますが、「登録事業者経由」「補助額5 万円以上」「対象期間内」の3点が必須。まずは公式サイトで事業者&対象製品をチェックし、見積もりの段階で“補助金込みの総支払い額”を確認しましょう。
(注:詳細は先進的窓リノベ2025事業【公式】ページをご覧ください)
【初公開】ふるさと納税で“窓用ワンタッチ防音ボード”が選べるようになりました!
実は、福岡県新宮町の返礼品に、ピアリビングの「窓用ワンタッチ防音ボード」が新しく加わりました。製造も同町内の工場で行っているため、寄附によって地元のものづくりを直接応援できます。まさに“ふるさと納税ならでは”のアイテムです。
寄附手続きはふるさと納税などのポータルで「新宮町 窓用ワンタッチ防音ボード」と検索し、窓サイズを入力して注文するとオーダーで製作します。届いたボードを窓枠に差し込むだけの簡単設置。ピアノ90〜100 dBの音が-15〜20 dB軽減することができます。
ネジ留め不要なので賃貸でも原状回復が可能。さらに多層構造パネルが結露による窓ガラスの冷えや外気熱も和らげるため、省エネ効果も抜群。詳しくは、各種ページをチェックしてみてください。
※控除上限額は年収や家族構成によって変わります。詳しくは総務省ふるさと納税ポータルまたは税理士・自治体窓口でご確認ください。
床の防音工事
ピアノ脚から伝わる打鍵音やペダル音などの固体伝搬音は、梁やスラブを経由して上下階へ拡散します。特にピアノの固体音は非常に大きな振動を伴う音であるため、表面に敷くだけのカーペットでは大きな効果は期待できず、夜間の静かな時間での大きな衝撃として残りがち。浮き床構造に施工することで、床に直接振動を伝えないような構造を作ることが重要です。
床の防音工事「6畳=約10 m²」施工時の概算費用
方法 | 仕上がりイメージ/性能 | 概算費用・特徴 |
①浮き床構造に施工 | 既存床の上に防振に適した下地材を設置→間にグラスウール等の緩衝材を設置→合板※合板は壁からは離して設置する | 30〜40 万円 ※材料のグレードで変動 グランドピアノの音を本格的に抑えたい。工期は3日〜1週間。 |
②DIY置き敷き(防音カーペット・下敷きマット) | 既存フローリングの上に防音タイルカーペットや下敷き用防音マットを重ね敷き。軽量衝撃音はΔLL-6程度の性能、重量衝撃音は限定的。 | 10 万円前後 原状回復が可能。 すぐに自分で対策したい。工期は半日程度。 |
選び方のヒント

①浮床構造に施工する際は、床から躯体への振動を抑えるために施工会社によって様々な工夫が施されています。防音効果を見る時に参考になるのが、ΔLH(重量床衝撃音レベル)です。ΔLHの数値が高い程防音性が高まりますので、参考にしていただけたらと思います。

②DIY置き敷き(防音カーペット・下敷きマット)で対策する際は、「クッション性」と「厚み」を重視することで、下の階に伝わる振動を和らげてくれます。
ピアリビングですと、防音タイルカーペット「静床ライト」や防音ラグ「快適防音マットウッド」に下敷き用防音マット「足音マット」を組み合わせる方法が考えられます。

防音タイルカーペット「静床ライト」
防音効果:ΔLL-4/特殊な3重構造/保温・断熱・防ダニ・防炎機能・カット可/50cm×50cm/12色展開/2,442円(税込)~

下敷き用防音マット 「足音マット」
防音効果:ΔLL-3 / 特殊な3層構造 / カット可 / 50×100cm・幅100cmロール / 3,630円(税込)~
ちなみに、グランドピアノの床対策として、床から→グラスウール吸音材(密度96k/m3•25mm厚)→合板(9mm)→防振ゴムマットP防振マット(5mm)→足音マット(7mm)→静床ライト(9.5mm)の順で施工されたお客様の事例もございます。こちらの動画でも解説してますので、よろしければご覧ください。
ドアの防音工事
どんな高性能壁を施しても、一般的な室内ドアでは隙間風と同時に音も逃げます。廊下や共用部に響いた音が間接的に隣戸へ回り込むケースも。「壁並みの遮音」をドアにも持たせることが仕上がりを左右します。
ドアを防音するときの工事方法と費用目安
工法タイプ | 遮音性能の目安 | 概算費用・特徴 |
①高性能防音ドアへ交換(スチール複合) | −35〜45 dB 低音域では−25〜30 dB 程度 | 60万〜120 万円 +施工費 重量ゆえに床レベル調整や壁下地補強が必須。工期は1〜2日。 |
②木質防音ドアへ交換 | −25〜35 dB | ドア+枠 30万〜40万円 +施工費 標準枠厚に収まるため壁・床の追加工事がほぼ不要。工期は半日〜1日。 |
③ドア枠に窓用ワンタッチ防音ボードを設置 | −10〜20 dB | 11万〜17 万円 賃貸・原状回復が可能。設置可能条件を要確認。即日脱着可。 |
④ドアの前に防音カーテンを設置 | −5〜10 dB | 5万〜7.9 万円 賃貸・原状回復が可能。多少でもいいので音漏れを抑えたい。即日設置可。 |
選び方のヒント
室外 50 dB以下が目標であれば、①スチール製の高性能防音ドアへ交換 + 壁・窓・床の総合対策が安心です。
-20~30dB程度であれば、②木質防音ドアの交換を検討することをおすすめします。高音域の音をメインに軽減し、−10〜20 dB程度の効果で十分であれば、③ドア枠に「窓用ワンタッチ防音ボード」もしくはドア用防音カーテン「コーズ」を併用することで、耳響く音を和らげることができます。

干渉物のないドア枠の奥行が3.5cm以上あれば、ドアの前に「窓用ワンタッチ防音ボード」を設置できます。一部切り取り加工なども可能なため、特殊な形状でも対応できる場合も。事前にピアリビングまで要相談。

ドア用防音カーテン「コーズ」
防音効果:5~10dB減/遮音布+吸音布4枚使用/断熱・保温・遮光1級/オーダーサイズ幅50~604cm×丈50~304cm/5色展開/24,970円(税込)~
天井の防音工事
天井の防音工事を行う場合、コンクリートスラブに穴を開けて施工する吊り天井と下地材を使用して二重天井に施工する方法の2種類あります。
RC造の場合、コンクリートに穴を開けられない可能性があるため、前者の施工が一般的です。
工法タイプ | 仕上がりイメージ | 概算費用・特徴 |
①既存天井に下地材+吸音材+石膏ボードを設置 | 既存天井の下に下地材を設置→間にグラスウール等の吸音材を充填→密度が高い石膏ボードを設置 15〜20dB減 | 30〜40万円前後 工期:〜2日 |
②天井に吸音材を貼る | 既存の天井に吸音材を貼る工法 | 10 万円前後 工期:1日 遮音効果はほとんど得られないため、室内の反響を抑える工法。 |
選び方のヒント

②の方法を採用する場合、吸音材が落下する可能性があるため、できるだけ軽量な吸音材のご使用をおすすめしています。
この対策により、室内の音圧レベルが数dB程度下がり、反響音を抑えることで、周囲への音漏れの軽減にもつながります。
ただし、この方法は①のように大きな防音効果は期待できませんので、あらかじめご了承いただけますと幸いです。
グランドピアノのお客様事例:窓・壁・床を防音DIYで検証したリアルレポート
ピアリビングの商品を使って、窓・壁・床の防音DIYをされたお客様のご自宅の事例をご紹介。ピアノ2台分の防音室となると約700万円するため、安価に防音する方法はないか探して対策をされたそうです。
測定環境と検証方法

・一戸建て新居のピアノ室にグランドピアノ2台(YAMAHA+DIAPASON)を設置。
・窓まわりは 楽器用二重サッシに加え、防音カーテン「コーズ」を設置。
壁(窓横)は 防音パネル「ワンタッチ防音壁」、床は防音タイルカーペット「静床ライト」を全面敷設。
・ピアノの演奏を室外で測定し、スマホアプリ Decibel X で 窓方向からの音漏れ を比較。
測定結果と体感コメント
条件 | 窓外測定値 | 低減量 | 体感メモ |
窓を全開 | 最大74.6 dB | ― | 曲がハッキリ鑑賞できるレベル |
二重サッシのみ | 最大52.2 dB | −22.4 dB | 会話音程度まで軽減 |
二重サッシ+コーズ | 最大46.9 dB | −27.7 dB | 耳を澄まさないと曲名が判別できない |
計測者コメント:二重サッシだけで-22 dB、さらにコーズを重ねて-28 dB近くまで軽減。壁パネルと床材が反射・振動を抑えたことで「楽器室特有の響き」が室外に出にくい印象でした。
使用アイテムと役割まとめ


防音カーテン「コーズ」
3枚の布を使用した多層構造で空気層を追加、周囲の残響を吸収。“掛けるだけ”なので取り付けも簡単。
防音効果:5~10dB減/凸凹吸音布と5重構造/断熱・遮光1級/幅110cm×丈135cm・178cm・200cm・215cm・260cm(既製)+オーダーサイズ対応/5色展開/14,740円(税込)~

防音パネル「ワンタッチ防音壁」
密度の高いグラスウールで遮音材を挟み込んだサンドイッチ構造の防音パネル。窓横の一次反射をカットし、窓からの回り込み音を低減。
防音効果:最大10dB減/高密度+サンドイッチ構造/賃貸OK・オーダーカット・断熱/幅50~5400mm×高さ901~2700mm, 50mm厚/2種10色展開/17,600円(税込)~

防音タイルカーペット「静床ライト」
9 mm厚の多層構造と表面のパイル生地でグランドピアノ脚から伝わる振動音を分散させる。
防音効果:ΔLL-4/特殊な3重構造/保温・断熱・防ダニ・防炎機能・カット可/50cm×50cm/12色展開/2,442円(税込)~
お部屋の採寸や設置が不安な方へ
「窓枠のサイズをミリ単位で測れるか不安…」「重い防音パネルを自分で取り付けるのは怖い…」
そんなご不安な声にお応えするためピアリビングでは採寸・設置サービスを実施しています。採寸サービスでは、専門スタッフがご自宅に伺い、お客さま立ち会いのもと採寸いたします。その後、採寸寸法をもとにご検討商品のお見積りをお送りいたします。
採寸サービスをご利用いただいた方に限り、商品の設置サービスをご利用いただけます。重さのある防音パネルや防音カーペットの設置に自信がない方、お一人での作業が難しい方におすすめです。

まとめ:ピアノを気持ちよく演奏するために
ピアノの防音対策を考えるときは、費用・性能・家族の快適さを “全部100点にしなきゃ” と力みがちです。しかし、「段階的に最適化する」 という選択肢もあります。
床に伝わるペダル音・打鍵音を軽減したい場合は床の対策、音色などの空気伝播音を軽減したい場合は、窓▶壁▶ドアの順で対策を優先的に検討することをおすすめします。施工を伴う防音工事が難しい場合は、賃貸でも可能な対策方法もたくさんあるため、ご家族やお財布と相談しながら最適な方法を検討されてはいかがでしょうか。
ピアリビングでは無料の防音相談も受け付けています。どう対策すればいいのか、自分でできる範囲で何があるかなど、気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)
Q1. ピアノ防音工事の費用相場はいくらくらいですか?
A. 一般的な6畳部屋を全面防音工事した場合、およそ400万円ほどかかります。(壁:最大160万円、窓:最大40万円、床:最大40万円、ドア:最大120万円)素材や施工方法により金額は幅がありますが、賃貸対応のDIYタイプは比較的安価です。
Q2. 賃貸マンションでもピアノの防音工事は可能ですか?
A. はい、可能です。ピアリビングの防音パネル「ワンタッチ防音壁」や防音カーテン、防音マットなど、原状回復が可能な製品を使えば、賃貸でも安心して防音対策ができます。DIYでの設置も簡単です。
Q3. ピアノの音漏れで一番気をつけるべき場所はどこですか?
A. 最も音が漏れやすいのは「窓」と「床」です。特に窓は空気伝搬音の出口となり、500Hz帯では-15dB程度しか遮音できません。防音内窓の施工や防音ボードの設置が有効です。
Q4. ピアノの防音対策で補助金は使えますか?
A. はい。2025年の「先進的窓リノベ事業」では、防音性と断熱性を兼ね備えた窓リフォームに対して最大200万円の補助金が利用可能です。該当条件を満たす製品を選ぶことで費用を抑えることができます。
Q5. ピアノ防音工事を段階的に進める方法はありますか?
A. あります。予算や生活スタイルに応じて、まずは音漏れが大きい窓や床から対策を始め、徐々に壁・ドアへと広げる方法が推奨されます。段階投資で無駄なく防音性を高められます。
Q6. ピアノ防音工事はDIYでも効果がありますか?
A. はい。ピアリビングの商品を使ったDIY事例では、窓の音漏れを実測で約28dB削減できたという報告があります。費用も抑えられ、引越し時の再利用も可能です。