春からの新生活、楽しみですね!快適な生活を送るためには、住まいの環境はとても大切です。特に楽器演奏やオンラインゲーム、テレワークなど、家で過ごす時間が増えている今、音漏れは深刻な問題に繋がることもあります。
「木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)って、防音性能がどれくらい違うの?」
「物件選びで失敗したくない…」
そんな不安を抱えているあなたのために、この記事では、建物の構造による防音性能の違いを解説します。木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)のそれぞれの特徴から防音対策まで、あなたの疑問や悩みを解決するための情報が満載です。この記事を読めば、安心して新生活をスタートできる住まい選びのヒントが見つかるはずです。
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の防音効果の違いは?

建物の骨組みにおける観点
建物の構造は、「骨組みがどのような材料でつくられているか」によって分類されます。たとえば、木造は「木材」、鉄骨造は「鉄」、鉄筋コンクリート造は「鉄筋とコンクリート」、鉄骨鉄筋コンクリート造は「鉄骨・鉄筋・コンクリート」をそれぞれ使用しています。
防音性の観点では、一般的に重い=遮音性が高いとされており、構造材の重さが一つの目安になります。そのため、質量の大きい鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造住宅の遮音性能は優れており、質量が小さい木造住宅が遮音性能が低い物件になります。
壁・床などの防音性の観点
構造材の観点では防音効果は上記のように判断されますが、「壁」、「床」、「窓」、「ドア」などの防音性については、様々な工夫により遮音性が高められています。一般的に鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造は防音性能が高いとされがちですが、木造だからと言って防音性が低いとも限りません。
防音性能を表す基準値
ここからは壁と床の遮音性能について詳しくご紹介します。
建物の防音性能は数値で表すことができ、代表的な基準値として「D値」と「L値」があります。
壁の防音性能を表す「D値」とは
D値は、壁などの遮音性能を表す指標です。数値が大きいほど、遮音性能が高いことを意味します。
通常の生活であればD-50以上、楽器演奏などをされる方はD-60以上あると良いですね。

物件ごとのD値の目安
木造:D-35〜D-40程度
鉄骨:D-45〜D-50程度
鉄筋コンクリート:D-50〜D-60程度
※数値が大きいほど防音性能が高くなります。
床衝撃音レベルを表す「L値」とは
L値は、床衝撃音の遮音性能を表す指標です。数値が小さいほど、遮音性能が高いことを意味します。また衝撃音の中には軽量衝撃音と重量衝撃音があり、それぞれLL(軽量衝撃音)、LH(重量衝撃音)にて遮音等級を表します。

物件ごとのL値の目安
木造: L-60程度
鉄骨造:L-55~L-50程度
鉄筋コンクリート造:L-50~L-45程度
※数値が小さいほど防音性能は高くなります。
建物別の特徴
木造住宅の特徴

日本の伝統的な建築方法で、柱や梁などの主要構造部にも送材を使用しています。
メリット
- 調湿性が高く、快適な居住空間を作ることができる
- 断熱性が高い
- 比較的家賃が安い
デメリット
- 耐火性や耐震性が他の構造に比べて劣る場合がある。
- 防音性が他の構造に比べて低い傾向がある。
木造住宅の防音性能
木材が持つ吸音性によって、ある程度の音を吸収する効果がありますが、木材自体が比較的軽量で音を伝えやすい性質を持ちます。そのため外部からの騒音や室内で発生した音が建物全体に伝わりやすい傾向があり、3つの構造の中では最も音が漏れやすい構造になります。
また、木材は乾燥や湿度の変化によって収縮・膨張するため、時間と共に壁や床、天井に隙間ができやすいです。これらの隙間は音の侵入経路となり防音性能を低下させる大きな要因となります。
鉄骨造住宅の特徴

柱や梁などの主要構造部に鉄骨を使用しています。
メリット
- 木造住宅よりも強度が高く、広い空間を作りやすい
- 鉄骨の強度を活かして、広い窓やバルコニーを備えた物件がある。
- 広いリビングや開放的なワンルームなど、柱や壁の少ない自由な間取りが可能な物件がある。
デメリット
- 熱伝導率が高いため、断熱対策が必要になる。
- 強風時や車両の通行時などに、鉄骨が振動して金属音が響く場合がある。
鉄骨造住宅の防音性能
鉄骨造住宅は、木造住宅に比べて防音性能は向上し、特に高音域の音に関しては、木造に比べて軽減しやすい傾向があります。しかし鉄骨は硬いため音や振動を伝えやすく、特に低音域の音や衝撃音は建物全体に響きやすいです。
また鉄骨造には軽量鉄骨造と重量鉄骨造があり、軽量鉄骨造は壁が薄く、防音性能は木造住宅と大差ない場合があります。一方、重量鉄骨造は鉄骨が厚いため、防音性能は比較的高いですが、壁が石膏ボードなどの軽量な材料で構成されていることが多く、空気音の遮断効果は限定的です。
鉄筋コンクリート造住宅の特徴

柱や梁などの主要構造部に鉄筋とコンクリートを使用しています。
メリット
- 非常に高い強度と耐久性を持つ
- 耐火性、耐震性、防音性に優れている
- 防犯カメラやオートロックシステムなどが導入されている物件が多くセキュリティ面で安心
デメリット
- 家賃が比較的高い
- エレベーターや配管などの共用部分から伝わる音が気になることがある。
- 構造上室内の音が反響しやすい
鉄筋コンクリート造住宅の防音性能
コンクリートは質量が非常に大きく、密度が高いため、音を遮断する効果に優れており、3つの構造の中で最も高い防音性能を誇ります。また大きな質量と高密度な構造により、低音域の音や衝撃音に対してもある程度の遮音性を発揮します。
しかし、コンクリートは音を吸収しにくいため、室内で音が反響しやすいというデメリットがあり、家具の配置や吸音材の使用により、反響を抑える工夫が必要な場合があります。
鉄骨鉄筋コンクリート造の特徴

鉄骨の芯に鉄筋とコンクリートを加えたハイブリッド構造の建物です。
メリット
- 構造体として非常に重く、防音性能が特に優れている
- 断熱性、気密性が高い
- 高い強度と耐震性がある
デメリット
- 構造上室内の音が反響しやすい
鉄骨鉄筋コンクリート造の防音性能
鉄骨の芯を鉄筋コンクリートで覆うハイブリッド構造で、その防音性能は非常に優れています。コンクリートの大きな質量と高密度な構造が、外部からの空気伝播音の侵入を遮断します。
さらに、質量と剛性によって、足音や物を落とす音などの低音域の音や衝撃音に対してもある程度の遮音性を発揮します。
しかし、コンクリートは音を吸収しにくいため、室内で発生した音が反響しやすいデメリットがあり、家具の配置や吸音材の使用により、反響を抑える工夫が必要な場合があります。
ピアリビングで出来る防音対策
壁の防音対策
①防音パネルor吸音材+遮音材の設置
特に賃貸の物件だと施工など大掛かりな対策は難しいと思いますので、後付で対策ができる防音パネル等での対策がおすすめです。

「ワンタッチ防音壁」は、高密度のグラスウール吸音材と遮音材を組み合わせたパネルです。おすすめのポイントは3つあります。
(1)面密度が高く、遮音性能が高い
ワンタッチ防音壁の面密度は8kg/㎡と石膏ボードと同等となります。そのため一定の遮音性能を期待できます。
(2)しっかりと音を吸収する
ワンタッチ防音壁の表面は吸音性が高いグラスウールを使用しているために、お部屋内で響く音を抑えてくれます。
(3)カット加工も柔軟に対応
コンセントボックスや巾木など、加工が必要な箇所はピアリビングでカット加工してお届けします。そのためお客様側でカットの必要がなく、簡単に防音対策できます。
②吸音材+遮音材で防音ボードを自作する
①よりも費用を抑えて防音したいという方のために、吸音材と遮音材を貼り合わせて自身で防音ボードを作るという方法もあります。吸音材は音を吸収して反響を防ぎ、遮音材は音を透過させないというそれぞれの特性を生かすために、併用して使うことがおすすめです。

「ロックウールボード」は吸音性の高いロックウールで出来ており、密度が80kg/㎥・150kg/㎥と非常に高いので遮音性能も期待できる吸音材になります。
遮音シートと組み合わせる場合は適度に吸音ができる密度80kg/㎥がおすすめです。

「Noisestop15(ノイズストップ15)」は、
ピアリビングオリジナルの遮音シートです。
通常の遮音シートより重く、密度も高くなっており、高い遮音効果が期待できます。
また47cm幅と小さすぎず大きすぎず、扱いやすいサイズになっております。
床の防音対策
防音マットやカーペットを敷く
クッション性のあるマットを敷くことで、足音などの衝撃音の発生を抑制します。また厚みや重さのあるものを床全面に敷き詰めることで、話し声や楽器の音色のような空気を伝わる音の軽減も期待できます。

「静床ライト」は3重構造のバッキング構造で下の階への生活音を軽減する防音タイルカーペットです。豊富な11色展開でお部屋に合わせて対策することができます。また水洗いも可能でお手入れもしやすいタイルカーペットです。

「足音マット」は3層構造で足音による衝撃を吸収する下敷き用防音マットです。静床ライトなど別のマットやラグと組み合わせて防音効果を高めることができます。
物件探しの際に気を付けること
住まいを選ぶ際、防音性能は重要なチェックポイントです。内見時に以下の点を意識して確認することで、入居後の騒音トラブルを未然に防ぐことができます。
周辺環境を確認する
交通量の多い道路や線路沿い、商業施設や娯楽施設が近い場所は、騒音が気になる可能性があります。
昼間だけでなく、夜間や早朝の時間帯にも周辺を訪れて、騒音レベルを確認することもおすすめです。
内見時に音の聞こえ方を確認する
隣室や上下階の音が聞こえないか、確認しましょう。
壁を軽く叩いてみたり、床を踏み鳴らしたりして、音の響き方を確認するのも有効です。
他のブログやYoutubeでも防音性の調べ方を紹介していますので、ご興味がある方は是非ご覧ください。
不動産や管理会社に質問する
騒音に関する情報や、過去の騒音トラブルの有無などを確認することで、トラブル回避につながります。建物だけでなく、地域の特徴についても聞いておくと、さらに詳しい情報を知ることもできるでしょう。
これらの点に注意して物件探しを行うことで、防音性の高い快適な住まいを見つけることができるでしょう。
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よくある質問
Q. 住宅の構造によって防音性能はどのように違いますか?
A. 一般に、構造材の質量が大きいほど防音性能は高くなります。(木造<鉄骨造<RC造≒SRC造)
ただし、「壁」「床」「窓」「ドア」などは、様々な工夫により遮音性が高められている場合があり、一般的に鉄骨鉄筋コンクリート造や鉄筋コンクリート造は防音性が高いとされがちですが、木造だからと言って防音性が低いとも限りません。
Q.D値とL値とは何ですか?それぞれの数値は、防音性能をどのように表していますか?
A.D値(遮音等級)
壁や床の遮音性能を表す指標で、数値が大きいほど遮音性能が高いことを意味します。
例えば、ピアノの音が小さく聞こえる程度、話し声はほとんど聞こえない程度とされます。
L値(軽量床衝撃音レベル)
上階から階下へ伝わる床衝撃音の遮音性能を表す指標で、数値が小さいほど遮音性能が高いことを意味します。生活音や椅子の移動音などがどの程度聞こえるかを表します。
Q. SRC造とRC造ではどちらが防音性に優れていますか?
A. SRC造の方が構造的に優れていますが、防音性能に明確な差はなく、どちらも非常に高い性能を持っています。
Q. 鉄骨造の住宅は防音性が低いのですか?
A. 鉄骨造は木造よりも遮音性が高いものの、鉄が音や振動を伝えやすいため、低音や衝撃音が響きやすい特徴があります。
また軽量鉄骨造は、建物によっては木造住宅と同程度の防音性能の場合もあります。
Q.賃貸物件でもできる効果的な防音対策はありますか?
A.賃貸物件では、大規模な工事は難しい場合が多いため、後付けできる防音対策が有効です。
壁: 防音パネルの設置や、吸音材と遮音材を組み合わせた防音ボードをDIYで設置する
床: 厚手のカーペットや防音マットを敷く
窓:防音カーテンを使用する、 窓用ワンタッチ防音ボードのようなボードを取り付ける
Q.物件選びで防音性能を確かめる際に、どのような点に注意すれば良いですか?
A.周辺環境の確認: 交通量、線路、商業施設などの騒音源の有無を確認し、昼夜の時間帯を変えて騒音レベルをチェックする。
内見時の確認: 隣室や上下階の音の聞こえ方を確かめ、壁や床を叩いて音の響き方をチェックする。
不動産会社への確認: 過去の騒音トラブルの有無や、建物の構造に関する情報を確認する。
Q.防音相談を受けることはできますか?
A.はい、防音専門のピアリビングでは無料の防音相談を実施しています。お客様の環境や目的に応じた最適な防音対策をご提案いたします
まとめ
いかかがでしょうか。今回は木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の防音効果の違いについて解説しました。住まい選びにおいて、防音性能は非常に重要な要素になります。物件選びの際にこちらの記事を参考にしていただけると幸いです。
ピアリビングでは、LINE・メール・電話で防音相談を受け付けています。また、ビデオ通話を使ったオンライン防音相談、東京と博多にはショールームもございます。ぜひお気軽にご利用ください。